1年前,同社はSystemCのライセンスやOSCI(Open SystemC Initiative)の運営方法に閉鎖的な点があるとして,OSCIを非難する立場をとっていた.こうした問題点がある程度改善され,昨年(2000年)6月にOSCIへの参加を表明した.同社によると,今回のEDS Fairに合わせて発表されたSystemCバージョン2.0には,同社のハードウェア・ソフトウェア協調設計ツール「VCC」で使われているアイデアが盛り込まれているという.たとえば,コミュニケーション・チャネルについて,バージョン1.2ではマスタ・スレイブとRPC(リモート・プロシージャ・コール)しかサポートしていなかったが,バージョン2.0では汎用のコミュニケーション・チャネルを表現できるようになった.「真のシステム・レベル対応になったバージョン2.0はSystemCの大きなブレークスルー.10年前のVHDLの標準化に匹敵する大きな事件だ」(VHDL91の策定に関わり,OSCIの活動にも参加している同社Vice President,System Level Design GroupのStanley J. Krolikoski氏).
2000年6月の段階で,OSCIはバージョン2.0で組み込みソフトウェアのサポートを,バージョン3.0でアナログ/ミックスト・シグナル・モデリングのサポートを表明していた.一方,現在のロードマップでは組み込みソフトウェアのサポートがバージョン3.0,アナログ/ミックスト・シグナルのサポートがバージョン4.0となっており,一つづつバージョン番号が先送りになっている.「SystemCバージョン1.1βができあがった段階で,Cadence社がOSCIに参加した.Cadence社にはAltaグループ,Comdisco,Redwoodなど,システム・レベル設計ツールに関する長い経験がある.当時のロードマップに問題があると考え,OSCIに待ったをかけた.さまざまなコミュニケーション・チャネルを表現できる仕様を盛り込み,これをバージョン2.0とした.バージョン1.3にしなかったのは,今回の仕様がSystemCのなかでも非常にメジャーなバージョンになると考えたからだ」(Stanley J. Krolikoski氏).