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ここでは,よく寄せられるCQ RISC評価キット/SH-4に関する質問についてお答えします.
Q1.
このCPUボードの開発元である京都マイクロコンピュータさんからも,SH-4とJTAGデバッガをセットにしたスタータキットが発売されているようですが,それと御社の製品の違いは何でしょうか?A1.
基本的には違いはありません.CPUボードやJTAGデバッガ,そして評価版コンパイラも同じものです.
しかし弊社のキットには,疑似ROM化ツールやフラッシュROM書き込みサンプルプログラム,シリアルコンソール入出力サンプルなど,さまざまなユーティリティやサンプルプログラムが添付されています.それでいて価格が多少安いという違いがあります.
Q2.
ボードにRS-232-Cインターフェースがついているようですが,これを使ったアプリケーションは製作可能でしょうか?A2.
製作可能です.デバッグには専用のJTAGポートを使うので,CPUボード搭載のRS-232-Cインターフェースをデバッグのために使用しません.
ただし付属のexeGCC評価版では,コンソール入出力関数はデバッガのコマンドウィンドウに対して入出力されます.CPUボード上のRS-232-Cインターフェースをターミナルに接続し,これをコンソールとして使うためのサンプルプログラムを添付しているので,これを参考にすればさらにプログラムが作りやすくなるでしょう.
Q3.
付属のコンパイラexeGCC評価版はROM化をサポートしていますか?A3.
これまでの評価キット同様,残念ながらROM化をサポートしていません.しかし本キットには疑似ROM化ツールおよびフラッシュROM書き込みサンプルプログラムを標準添付しているので,使い勝手的にはすぐにROM化が可能です.
ちなみにJTAGデバッガはCPU内蔵のデバッグハードウェアを使ってブレークをかけるので,ROM領域のプログラムのステップ実行も可能です.
exeGCC-CQ版およびexeGCC評価版に関する質問のQ2もご参照ください.
なお疑似ROM化の概要についてはexeGCC-CQ版およびexeGCC評価版に関する質問のQ6をご参照ください.
Q4.
16MバイトものシンクロナスDRAMを実装していて,なぜたった128KバイトのSRAMも実装されているのでしょう?A4.
シンクロナスDRAMをRAMとして使用できるようにするには,さまざまな初期化が必要です.それもレジスタを数カ所設定するだけではなく,モードを設定して規定回数のリフレッシュが行われたかどうかを確認後にさらにレジスタ設定が必要です.そこで手っ取り早くRAMを使いたい用途のためにSRAMも実装しています.SRAMを使えるように設定するには,SH-4内蔵のバスステートコントローラ内のレジスタをいくつか初期化するだけで簡単に使用できます.
Q5.
“高速”を謳い文句にされているようですが,転送速度は具体的にどのくらいでしょうか?A5.
公称(?)500Kバイト/秒とされています.ただしプリンタポートの対応モードによりパフォーマンスは異なります.プリンタ端子がEPPモードに対応していれば高速通信が可能です.
ちなみに,いくつかのマシン+OSで転送速度を実測した結果を示します.参考にしてください.
PARTNER-J 16Mバイトデータ転送 通信速度実測値
(a)転送方向 パソコン→CPU
パソコン OS LPTモード 転送方向 転送時間 Pentium 100(430FX) 95 SPP パソコン→CPU 34秒 Pentium 100(430FX) 95 EPP8 パソコン→CPU 33秒 Pentium 100(430FX) 95 EPP16 パソコン→CPU 27秒 Pentium 100(430FX) 95 AUTO(EPP32) パソコン→CPU 24秒 Pentium 100(430FX) NT4.0 SPP パソコン→CPU 40秒 Pentium 100(430FX) NT4.0 EPP8 パソコン→CPU 34秒 Pentium 100(430FX) NT4.0 EPP16 パソコン→CPU 28秒 Pentium 100(430FX) NT4.0 AUTO(EPP32) パソコン→CPU 25秒 PentiumII 266(440FX) 95 SPP パソコン→CPU 33秒 PentiumII 266(440FX) 95 EPP8 パソコン→CPU 28秒 PentiumII 266(440FX) 95 EPP16 パソコン→CPU 21秒 PentiumII 266(440FX) 95 AUTO(EPP32) パソコン→CPU 18秒
( コマンドウィンドウ >RD C:\TEST.DAT,A0000000[リターン] )
(b)転送方向 CPU→パソコン
パソコン OS LPTモード 転送方向 転送時間 Pentium 100(430FX) 95 SPP CPU→パソコン 130秒 Pentium 100(430FX) 95 EPP8 CPU→パソコン 34秒 Pentium 100(430FX) 95 EPP16 CPU→パソコン 28秒 Pentium 100(430FX) 95 AUTO(EPP32) CPU→パソコン 24秒 Pentium 100(430FX) NT4.0 SPP CPU→パソコン 130秒 Pentium 100(430FX) NT4.0 EPP8 CPU→パソコン 34秒 Pentium 100(430FX) NT4.0 EPP16 CPU→パソコン 28秒 Pentium 100(430FX) NT4.0 AUTO(EPP32) CPU→パソコン 26秒 PentiumII 266(440FX) 95 SPP CPU→パソコン 120秒 PentiumII 266(440FX) 95 EPP8 CPU→パソコン 29秒 PentiumII 266(440FX) 95 EPP16 CPU→パソコン 23秒 PentiumII 266(440FX) 95 AUTO(EPP32) CPU→パソコン 21秒
( コマンドウィンドウ >WR C:\TEST.DAT,A0000000,A0FFFFFF[リターン] )すべてのPC/AT互換機で動作可能なSPPモードでも,ダウンロード方向(パソコン→CPU)の転送では30秒〜40秒程度でダウンロード可能のようです.これがEPP32モードでも20秒程度とさほど代わりがありません.
それに対してアップロード方向(CPU→パソコン)は,SPPモードでは16Mバイト転送するのに2分程度かかるようです.EPP32モードでは30秒前後と,かなりパフォーマンスの差が見られます.
実質的には,コンパイルしたユーザープログラムをダウンロードする方向がデータ量的に多く,アップロード方向はメモリのダンプやレジスタや変数のウォッチなど,それほどデータ量が多くありません.SPPモードであっても,実質的なデバッグ作業に支障が出る場面はほとんどないと思われます.
ちなみに,これまでのシリアル転送の場合の参考値として,CQ RISC評価キット/Vr4300で1Mバイトのデータ転送時間を計測してみると,ダウンロード方向が4分強,アップロード方向が4分15秒程度でした.JTAGの計測時よりデータ量が1/16であるにも関わらずこれだけの時間がかかります.JTAGデバッガがいかに高速がかがおわかりいただけると思います.
Q6.
CqREEK/SH-4ではアセンブラによるプログラム開発が可能ですか?A6.
exeGCC-CQ版およびexeGCC評価版に関する質問のQ4をご参照ください.
すでに説明したように,CqREEK/SH-4ではさまざまなサンプルプログラムを添付しています.この中にはアセンブラを使ったプログラムも含まれています.それらを参考にされるのがよいでしょう.
Q7.
対応マシンが PC/AT互換機となっていますが,NECのPC-9801シリーズでは使えないのでしょうか?A7.
パソコンのプリンタポートを使ってJTAGデバッガを接続します.このプリンタポートの仕様が,PC/AT互換機とNEC PC-9801シリーズでは異なるため,現状ではPC/AT互換機のみに対応しています.現状および今後のパソコンの普及状況を考ると,NECのPC-9801シリーズには対応することはないと思われます.
同じNEC製パソコンでも,現在主流のPC98-NXシリーズでは使用できます.
Q8.
exeGCC評価版の制限は,これまでのSH-1やSH-3のexeGCC-CQ版と同様と考えてよろしいでしょうか? また今回は日立純正Cコンパイラの評価版も付属とのことですが,こちらの制限は何でしょうか?A8.
exeGCC評価版の制限は,おっしゃるとおり従来からのCqREEK/SH-1やSH-3と同様,ユーザープログラムのリンクアドレスが明示的に指定できず,CPUボードのSDRAMのアドレス空間に固定されています.よってROMのアドレス空間に配置できないので,ROM化をサポートしていません.exeGCC-CQ版およびexeGCC評価版に関する質問のQ2もご参照ください.
日立純正Cコンパイラの評価版は,製品版と比較して構成ファイルに次のような違いがあります.
またオブジェクトフォーマットも一部変更されています.それ以外は製品版と同じ仕様です.つまりリンクアドレスも自在に指定できるので,ROM化も可能です.
C/C++ Compiler Windows95/98/NT版 Ver 5.0 本体およびライブラリのみ Assembler Windows95/98/NT版 Ver 4.2 本体のみ Linker Editor Windows95/98/NT版 Ver 6.0C 本体のみ
評価版としての最大の制限といえば,ソフトウェアのインストールやコンパイル方法などのご質問には一切お答えできないことです.取扱説明書は添付しているので,その情報だけで,各自の責任においてご使用いただくことになります.
整理すると以下のようになります.
・exeGCC評価版…
コンパイラの制限:ROM化不能
サポートの範囲:コンパイラのインストール方法や,コンパイラのバグと思われる再現性のある不具合などに対する質問
(CPUの使い方に関するご質問はご遠慮ください)
・日立純正Cコンパイラ評価版…
コンパイラの制限:事実上制限なし
サポートの範囲:インストール方法の質問すら受け付けない完全ノンサポート
Q9.
exeGCC評価版のライブラリ関数にはどのようなものがあるのでしょうか? また,printfなどの関数がある場合は,どこに対して表示されますか?A9.
exeGCC-CQ版およびexeGCC評価版に関する質問のQ3をご覧ください.なお,SH-4はメモリマップドI/O方式のため,x86系コンパイラにあるような inp/outp のような関数は必要ありません.
Q10.
exeGCC評価版(SH-4)ではx86系コンパイラにあるようなinterrupt修飾子はないのでしょうか? 割り込みを使うにはどうすればよいのでしょうか?A10.
exeGCC-CQ版およびexeGCC評価版に関する質問のQ5をご参照ください.
Q6にもあるように,CqREEK/SH-4ではさまざまなサンプルプログラムを添付しています.この中には割り込みを使ったプログラムも含まれています.それらを参考にされるのがよいでしょう.
Q11.
CQ RISC評価キット/SH-4はJTAGデバッガであるため,モニタROMは搭載されていないと聞きます.ではCPUボードに実装されているフラッシュROMには,出荷時の状態で何もプログラムが書かれていないのでしょうか? JTAGデバッガを接続せずに,CPUボードだけ電源を入れると何が動き出しますか?A11.
おっしゃられるとおり,CQ RISC評価キット/SH-4はJTAGデバッガであるため,モニタROMは搭載されていません.CPUボード搭載のフラッシュROMは,出荷時の状態でCPUボード搭載の7セグメントLEDのドットを点滅するプログラムが書き込まれています.またJTAGデバッガを接続せずにCPUボードのみ電源を入れると,フラッシュROM内のプログラムが実行されるので,7セグメントLEDのドット点滅動作を始めます.
よって,購入したCPUボード単体(PARTNER-Jを接続せずに)で電源を入れて,7セグメントLEDのドット点滅表示が正常に行われない場合は初期不良ということになります.
なお,フラッシュROMの内容を書き換えた後は,その書き込んだプログラムにより電源投入時の動作が変わります.正しく動作しないプログラムをフラッシュROMに書き込んだ場合の電源投入時の動作は保証しかねます.
Q12.
exeGCC評価版(SH-4)を普通のMS-DOS上で使いたいのですが……A12.
exeGCC評価版はDOS窓で動作しますが,内部はWin32アプリケーションです.MS-DOS環境では動作しません.
Q13.
CPUボード搭載のシンクロナスDRAM容量は16Mバイトだそうですが,シンクロナスDRAMを増設する方法はありますか?A13.
SH-4はデータバス幅が最大64ビットで使うことが可能です.それを考慮して,CPUボードのプリントパターン上は,データバス16ビット幅のSDRAMを4個並べて実装できるように考慮されています.しかし標準状態で16ビット幅のSDRAMを2個並べてSDRAMが実装されており,そのSDRAMをはずさないと64ビット幅ではSDRAMを実装できません.SDRAMの増設は難しいと思われます.
なお,CPUボード上のSDRAMはジャンパの設定でディセーブル(切り離す)することも可能です.CPUボード上のSDRAMを無効にして,外部にまったく別のSDRAMを増設することも可能です.
Q14.
SH-4 CPUの信号線を取り出すことはできますか?A14.
本CPUボードにはSH-4 CPUのほぼすべての信号線を取り出せるようにスルーホールを用意しています.外部にデバイスを接続するときは,このスルーホールから信号を取り出せます.
Q15.
CPUボードには16MバイトのSDRAMが搭載されているそうですが,ということは最大16Mバイトまでのプログラムを作成しデバッグできるということでしょうか?A15.
残念ながら,ユーザープログラムはSDRAMの16Mバイトのうちの最後の約1Mバイトの空間に配置されます.exeGCC評価版の制限で,このアドレスは固定です.よって開発できるプログラムはスタックや変数エリアを合わせて最大約1Mバイトとなります.
CPUボード搭載のフラッシュROMも1Mバイトなので,本キットで開発できるプログラムのサイズは実質的に1Mバイトで十分と考えています.
Q16.
SH7750は,CPUコア動作電圧が1.8V,I/O動作電圧が3.3Vと聞いています.Q14にはCPUの各信号を取り出せるとありますが,それはCPUのピンと直接接続されている,つまり3.3Vレベルの信号ということでしょうか? 74LSや74HCなどの5Vデバイスを接続できるでしょうか?A16.
本CPUボードの外部拡張コネクタは,バスバッファなどを経由させずにCPUのピンを直接配線しています.よって3.3Vレベルとなっています.
またSH7750は5V入力に対応していないので,5V電源系デバイスを接続する場合は,間にレベル変換バスバッファが必要です.
Q17.
本キットはJTAGデバッガということですが,プログラムカウンタによるプレーク以外に,特定のアドレスを読み出したり書き込みしたりしたときにブレークをかけることも可能ですか?A17.
もちろん可能です.BRコマンド,またはハードウェアブレークのダイアログで設定可能です.
Q18. UpDate!!
普段の仕事ではプリンタも使っています.PARTNER-Jはプリンタポートに接続するため,プリンタポートを使用する他の周辺機器は接続できないとありますが,プリンタ切り替え器のようなものを間に入れて切り替えてもだめでしょうか?A18.
使用上いろいろ問題もあるので,可能であれば同じLPTポートを使うことは避けたほうが安全です.LPTポートを増設する,COMポート接続のプリンタを選ぶ,USB-LPT変換器を使ってプリンタを接続する,ネットワークプリンタにする,などなどいろいろ対処方法があります.
どうしても同じLPTポートをプリンタとPARTNERとで使いたい場合は,あくまでも同時使用はできませんが,制限付きで使用が可能です.お使いになるOSやプリンタ切り替え器の構造などにより対処方法が異なります.
▲OSがWindowsNTの場合
NTドライバの構造上,ローカルのLPTポートに接続したプリンタ用のプリンタドライバとPARTNER-J/Winとは同居できません.どうしても共存させたい場合は,PARTNERを使用するたびに,そのプリンタドライバをアンインストールして使用してください.
しかし,普段の他の作業でも頻繁にプリンタを使われる場合もあるかと思います.その都度に,プリンタドライバのインストールとアンインストールをするのは面倒です.そこで,次のような方法で,ローカルのプリンタドライバとPARTNER-J/Winを共存させる方法があります.
プリンタのプロパティを開き,「ポート」タブを開きます.通常はプリンタを接続しているポートが選択されているはずですが,ここで図のように「FILE」を選択します.これでPARTNERが起動できます.PARTNERを使い終わり,またプリンタを使う場合は,正しくプリンタを接続しているポートに選択し直します.
▲OSがWindows95/98の場合
ローカルのLPTポートにプリンタを接続しても,ドライバをインストールしたままPARTNERを使うことができます.
▲プリンタ切り替え器の構造
その切り替え器が,手動式でプリンタ端子のすべてのピンを切り替えるものであれば,PARTNER-J使用時に間違いなくPARTNER-Jを選択して使用する限りに置いては問題ないと思います.もちろんその場合は同時にプリンタを使用することはできません.またその場合はPARTNER-J/Winをアイドリング状態(ユーザープログラムも動いてない,デバッガが次のコマンド/操作を待っている状態)にしておいて,ちょっとだけプリンタを使いたいという場合であっても切り替えることはできません.プリンタを使いたい場合はPARTNER-J/Winをいったん終了させる必要があります.
また専用のドライバが常駐することで電子的にコマンドを送ってプリンタを選択するようなタイプのプリンタ切り替え器は,PARTNER-JとPARTNER-J/Winとの通信を誤認識する可能性もあるので使用できません.
▲そのほか
プリンタ以外の周辺機器も同時に使用できません.ソフトウェアプロテクトキーや,Zipドライブなどのストレージメディアの中には,その後ろにさらにプリンタを接続できるようにコネクタが実装されているものがありますが,このような端子にもPARTNER-Jを接続することはできません.必ずパソコン本体のプリンタ端子に直接接続する必要があります.
なお,最近の小型/薄型ノートパソコンでは,パソコン本体にはプリンタ端子が実装されておらず,リプロケータなどと呼ばれる拡張機器を接続してプリンタ端子を装備するスタイルのものがあります.これらの形態のプリンタ端子には問題なく接続することができるはずです.
LPTを増設するという方法もあります。A.28もご参照ください。
Q19.
Q14やQ15に関連して,どんな信号が出力されているか,本キット購入前に調べてみたいのですが,SH7750のマニュアルを見せていただけますか?A19.
SH7750に関するマニュアルは,インターネットのホームページからダウンロード可能です.こちらのダウンロードコーナからリンクをたどってみてください.
Q20.
CPUボードの写真を見ると,フラッシュROMはソケットに実装しているタイプではなく,TQFPでCPUボードに実装済みのようですが… フラッシュROMに書き込んだプログラムにバグがあった場合,もしくはフラッシュの書き換え中に電源を落としてしまったりリセットをかけてしまうなど書き換えに失敗した場合,もう2度とCPUボードが使えなくなってしまうことはないでしょうか?A20.
ご安心ください.そのためのJTAGデバッガです.JTAGデバッガはCPUに電源が投入されていて動いている状態であれば,いつでもデバッガを起動させることができます.フラッシュROMを消してしまった,書き込みに失敗した,正しく書き込めたけどプログラムにバグがあるetc… このような状態でCPUボードに電源を入れるとほとんどの場合CPUは暴走状態になりますが,このような状態でもハードウェア的に壊れていなければ,JTAGデバッガを起動することができます.ROMライタがなくてもいつでもフラッシュROMを書き換えることができるので,安心してお使いいただけます.
Q21.
CPUの信号を取り出すためのCN7のピン配置の方向が,取扱説明書とCPUボードの現物では異なるようですが…A21.
取扱説明書の間違いです.こちらを参照ください.
Q22.
日立Cコンパイラを使ってみようと思ったのですが,ちょっとマニュアルが厚くて… このコンパイラについてはサポートがないとのことですが,なんとか簡単な使い方を説明してもらえませんか? せめて添付の SH C用 のサンプルプログラムをコンパイルして,このCPUボード上で実行させるまでの説明があれば,なんとかなるんですが…A22.
インストール方法などはPDFの始めあたりのページにあるのですぐにわかりますが,実際にCPUボードで実行できるようにするには,リンカの指定やスタートアップルーチンなどの記述も必要です.手っ取り早く使うための簡単な解説のページを用意しているので,参考にしてください.ただし,何とも言いますが,キット付属の日立Cコンパイラは評価版であり,日立製作所や弊社ではサポートはできません.ユーザーさんの責任においてお使いいただくようお願いいたします.
Q23.
PARTNERが安定して動作しません.ステップ実行中などにPARTNERがエラーを発生します.LPTモードを環境設定で直接SPPに指定して再起動しても症状が変わりません.何が問題なのでしょうか?A23.
非インテルチップセットを搭載したPC/AT互換機システムでは,動作が不安定な場合があることが確認されています.お使いのパソコンでどうしても動作が不安定な場合はご連絡ください.対策バージョンのPARTNERをお送りいたします.
Q24.
SH-4の外部バスにデバイスを接続して制御しようと思い,未使用のエリアがエリア6なので,デバイスを/CS6に接続しました.しかしCでプログラムを組んだ場合はエリア6のデバイスにアクセスできるのですが、PARTNERのコマンドウィンドウ上からポート入出力コマンド(PIBやPODなど)実行しても,アドレスエラーが発生して実行できません.またメモリウィンドウも同様のエラーで開きません.SH-4 CPUボードの未使用エリアに対しては,PARTNERのコマンドウィンドウやメモリウィンドウからはアクセスできないのでしょうか?A24.
インストール直後のデフォルトの状態では,SH-4 CPUボードのエリア6などの未使用エリアに対して,PARTNERのコマンドウィンドウやメモリウィンドウからはアクセスできない設定になっています.
これを解除するには,PARTER-J/Winをインストールしたディレクトリの中にある,PARTNERの動作を設定しているファイル(JPTSH.CFG)の内容を書き換えます.デフォルトでインストールした場合は,\Program Files\Kmc\PARTNER-J SH4スタータキット\Samples\KZ-SH4-GCC\ の中に格納されています.---------- JPTSH.CFG ---------- ; LPT I/O Address ; LPT I/O ADDRESS i/o_adr[,SPP|EPP8|EPP16] ; LPT I/O ADDRESS AUTO[,SPP|EPP8|EPP16] LPT I/O ADDRESS auto JTAG VCC 3.3 JTAG CLK HIGH ; PARTNERのコマンドでアクセス可能なメモリ領域(最大20領域) ; ; EX. MAP 10000000,1000FFFF ; MAP FFF00000,FFFFFFFF ;MAP 00000000,ffffffff ←先頭のセミコロンを削除 MAP 00000000,03ffffff,ROM ←この行から,先頭にセミコロンを追加 MAP 04000000,07ffffff MAP 08000000,0bffffff MAP 10000000,13ffffff MAP 14000000,17ffffff MAP 80000000,83ffffff,ROM MAP 88000000,8bffffff MAP 90000000,93ffffff MAP 94000000,97ffffff MAP a0000000,a3ffffff,ROM MAP a8000000,abffffff MAP b0000000,b3ffffff MAP b4000000,b7ffffff MAP f0000000,ffffffff ←この行まで,先頭にセミコロンを追加 (省略) ---------- JPTSH.CFG ----------上に示したコメントに従いファイル内容を書き換えたら,PARTERを一度終了して再起動してください.これで全メモリ空間に対してアクセスが可能になります.
Q25.
コンソール入出力関数である getch() などがうまく動かないようです.これはコンパイラのバグではないでしょうか?
A25.
申し訳ありません.コンソール入出力関数の一部に問題がありました.ライブラリのバージョンアップ版を公開しました.ここから説明を読んで新バージョンのライブラリをダウンロードしてください.
Q26.
外部に接続するデバイスの関係で、外部バスクロックの設定を変更したいのですが、SW2-1/2/3のクロックモードの設定を変更しても問題ないでしょうか?
A26.
JTAGデバッガそのものは、クロックモードの設定変更の影響を受けません。しかしクロック設定の変更は、CPUボード上の各部の動作に影響を与えます。
まず問題になるのがDRAMのリフレッシュ設定です。一般的なDRAMは、15.6μsごとにリフレッシュする必要があります(本CPU搭載のSDRAMもそうです)。本キットのデフォルトの設定は次のようになっています。
・CKIOクロック 66MHz
・RTCSR下位8ビット 10h
→リフレッシュカウンタの基準クロックとして、CKIOの1/16のクロックを入力
・RTCOR下位8ビット 41h
→リフレッシュカウンタの基準クロックを41h(65回)カウントしてリフレッシュ
66MHz/16 = 4.125MHz
4.125MHz×65=0.2424…μs×65=15.7575…μs間隔
CKIOのクロックを変更した場合は、約15.6μs間隔になるように、RTCSRとRTCSRを調整すればよいわけです。
また、エリア0に接続されているフラッシュROM、エリア2に接続しているSDRAM、エリア4に接続しているSRAMの、各メモリのアクセス速度に合わせたバスサイクル数を設定します。
さて、問題は、これらの設定をどこで行うかです。ROM化するプログラムの場合は、プログラムの初期化部分のBSCの設定を書き替えれば問題ありませんが、JTAGデバッガ使用時はPARTNER起動時に自動的に初期化されます。JTAGデバッガ起動前に実行したプログラム(リセット直後から実行されるので、必然的にフラッシュROMに書き込んでいるROM化プログラムが実行される)の設定がそのまま引き継がれるわけではありません。
PARTNERは起動時に各種設定ファイルを読み込んで設定を行います。A24で示した JPTSH.CFG というファイルの最後の行に、次のような記述があります。
---------- JPTSH.CFG ---------- (省略) ; I/O 初期化 ; INIT cmd,adr,data[,mask] ; INIT ED,1000,2345678 ; INIT POB,2000,11 ;---- KZ-SH4 32bit 66/100MHz INIT pod,ff800000,0000000C INIT pow,ff800004,B5F8 INIT pod,ff800008,77017111 INIT pod,ff80000c,FC8AE520 INIT pod,ff800010,07007000 ;100MHz ;;INIT pow,ff800024,a561 ; 66MHz INIT pow,ff800024,A541 INIT pod,ff800014,10192194 INIT pob,ff90008c,AA INIT pow,ff80001c,A510 INIT pod,ff800014,50192194 INIT pob,ff90008c,AA ---------- JPTSH.CFG ----------ff8000xxの数値が、BSCの各レジスタのアドレスを示しています。ここを任意に書き替えて、クロック設定に合わせたパラメータを設定します。
また、タイマやシリアル通信クロックにも影響があることを忘れないでください。これらはROM化するプログラムであろうとデバッグ中のプログラムであろうと、ユーザーの作成したプログラムの中で初期化を行っているはずなので、その初期化部分を書き替えます。
Q27. New!!
このキットはWindows2000に対応していますか? またXPはどうでしょうか?
A27.
こちらのページから、CqREEK/SH-4用のWindows2000用ドライバがダウンロードできます。こちらをダウンロードしてインストールしてください。
WindowsXPについては、このWindows2000用のドライバで動作します。
Q28. New!!
本キットといっしょに、御社のFPGA評価キットを同じパソコンに接続し、同時に動作させたいと考えています。LPTポートを増設して同時に使用したいのですが、PARTNER-J/評価版が対応しているLPT増設ボードはありませんか?
A28.
基本的に、増設されたLPTポートでの動作は保証しておりませんが、こちらのメーカーで、本キットの動作確認が取れたLPT増設ボードを販売しているようです。PCカードおよびPCIボード両方用意されているようなので、ノートパソコンでもデスクトップパソコンでも、LPTポートを二つ以上用意して、同時に使えるようです。
詳細は、リンク先のメーカーにお問い合わせください。