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ユーザ管理とファイル共有

 

概要

 SOHO環境では、コンピュータをネットワークで相互に接続します。そうしたときに、一番嬉しいのは何でしょう? ファイルやプリンタなどのコンピュータ資源を共有化できることではないでしょうか?この章では、Windows NTサーバを中心にしたファイルやプリンタの共有化に挑戦してみます。その際、Windows NTでは、Windows95/98に存在しなかったユーザの存在に注意を払う必要があります。

CD-ROMMOドライブの共有化

 現在、LibrettoLet’s Note, VAIOなど軽くて携帯性に優れたノートパソコンが大人気です。しかし、ノートパソコンは、小さくなればなるほどCDドライブを標準で搭載しにくくなります。CDドライブなしで、どうやったら新たにアプリケーションを追加インストールできるのでしょうか? SCSIカードとSCSI対応CD-ROMドライブを別途に購入しなければならないのでしょうか?

 SOHO環境なら、Ethernet カード ひとつあれば、何にも心配はありません。NTサーバのCDドライブを簡単に共有化して、ネットワークに接続されたPCから利用できるようになるからです。もちろん、CDドライブだけでなく、MOドライブなどの大容量リムーバブルメディアの共用化も全く同じように共有化することができます。

 まずは、CDドライブやMOドライブをネットワーク越しにアクセスできるようにしてみましょう。

NTサーバ側での準備

 まず、最初にWindows NTサーバ上でドライブの共有化を設定します。CDドライブを共有化する場合を例に説明します。

 デスクトップ上のネットワークコンピュータを開くと、ホスト名の下にそのPCが公開している共有フォルダが表示されるはずです。

 

NOTE:

Windowsファミリは、簡単にドライブをネットワーク上に公開できます。しかし、特別な目的がない限り、不要なフォルダは、絶対に共有化しないようにしましょう。たとえ読み取り専用であっても、システム情報やセキュリティ情報が流出する危険性があるからです。

 

 

TIPS:

共有名の最後に$記号をつけると、ネットワークコンピュータなどのブラウス画面にその共有フォルダが表示されなくなります。しかし、これはただ表示されないだけなので、$付きのパス指定を使えば、普通にアクセスすることができます。共有化していることを秘密にしておきたいフォルダには有効ですが、アクセス制限としてはあまり意味がありません。

 

 

ノートパソコン側の準備

 PCOSWindows95の場合、最初にMicrosoft ネットワーククライアントを導入しておく必要があります。

 

NOTE

「ファイルとプリンタの共有(F)」ボタンは、ノートパソコン上のリソースを共有化するための設定項目です。特別な理由がない限り、非サーバマシンのリソースは共有しない方がいいでしょう。

 

 

NTドメインにログオン

 ネットワークの設定を変更した場合は、ノートパソコンをリブートし直します。正しく、Ethernet カードが挿入されておれば、ログオン画面は、WindowsへログオンからMicrosoftネットワークに変っているはずです。ここでは、いつも[ESC]を押してログオンしていた人も、ユーザ名、パスワード、そしてドメインをちゃんと入力しなければなりません。

 

NOTE:

 ユーザは、NTドメイン上に登録されているユーザ名である必要ががあります。まだ、個人ユーザを作成していないので、ここでは、(あまり薦められることではありませんが、) Administrator ユーザでログオンして試してみましょう。個人ユーザの作成と登録は、この章の後半で説明します。

 

 

 ネットワークコンピュータをクリックすれば、NTサーバ(コンピュータ名)が見えるはずです。図のようにCDドライブを参照することが可能になります。これで、NTサーバのCDドライブを利用して、ノートパソコンにアプリケーションをインストールすることができるようになりました。更に、ネットワークドライブの設定で適当なドライブ名を割り当てると、仮想的なドライブとしてローカルマシン上のドライブと区別なく利用することができるようになります。

 


以下省略.出版されている内容とは少し異なります.Copyright 1998 Kuramitsu Kimio


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