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LinuxMLDIII 活用法
Windowsユーザーが手軽に日本語Linuxを利用できる


はじめに

 パソコンでUNIXを始めたい! Linuxを動かしたい! Linuxで日本語のアプリーケーションを使いたい! Linuxで電子メールやインターネットをバリバリ使いたい! 2・3台のパソコンがあるのでLinuxでネットワーキングを活用したい!…このような方に本書はお勧めです.
 このところ,LinuxをはじめとしてフリーのPC UNIXは日本語環境の構築や日本語が使えるアプリケーション活用に興味が移っています.関係の書籍や雑誌でもこれらの事例を扱ったものが増えてきています.
 Linuxをこれから始めようという初心者にとって,Linuxの導入からUNIXの基礎知識を学ぶだけでもかなりの負担になり,すぐには日本語環境を構築して使いこなすまでには至りません.ここに到達するまでそれ相当の時間を要します.
 本書は,Linuxの導入が比較的簡単に実施でき,しかも日本語環境の設定が自動的に行われる国産のPC UNIXを使用します.日本語が使えるアプリケーションの導入と使用例を紹介しながら,比較的短期間に日本語環境をベースにしたUNIXが個人ベースで使いこなせるようになることをコンセプトにしています.
 本書で扱うPC UNIXは,Windows環境をそのまま残してインストール可能なLinuxMLDIIIを扱います.従来ならハードディスクをフォーマットしたり,面倒なパーティションを切ったりする作業が必要がありません.アンインストールも簡単で使わなくなったらいつでも削除できます.LinuxMLDは初期バージョンから日本語がすぐに使えるように工夫されており,日本語環境がインストール時に自動で導入されます.インターネットを活用するためのPPP設定やプリンタ設定についてもWindowsでの設定を自動認識しますので,Linux側では比較的簡単な設定で済みます.
 最新版のLinuxMLDIIIが稼動するパソコンの機種もバラエティに富んでいます.デスクトップパソコンやノートパソコンに加えて最近話題のモバイルパソコンにもインストールが可能です.ブートディスクが利用できないパソコンにもインストールが可能です.
 LinuxMLDIIIは,単なるLinuxの導入にとどまらず,使用するパソコンに合わせて目的にあった用途・活用が考えられます.本書でも第8章で一歩進んだLinux活用法として,サーバーとクライアントによるネットワーキングを取り上げています.
 第1章はLinuxMLDIIIの導入について説明します.LinuxMLDIIIのインストール方法から起動の仕方,また以降の章で必要になるプリンタ設定例について説明します.
 第2章はUNIXのファイルシステムの概念から本書で使う基本コマンドについて実行例と対比して説明します.
 第3章は文書作成ツールについて使用例を説明します.具体的には,PC UNIXで定番の高機能エディタMuleと商用のワードプロセッサdp/NOTE,そして文書処理ツールpLaTeX2eです.いずれもLinuxMLDIIIの日本語環境を使用します.
 第4章はグラフィックソフトウェアtgifとGUIツールTcl/Tkについて使用例を説明します.tgifはグラフなどの作成に加えて日本語のテキスト入力が可能です.Tcl/Tkは見栄えのするアプリケーションの作成が可能です.どちらもプレゼンテーションの作成事例を紹介します.
 第5章は,パソコン導入済みの内蔵モデムがLinuxで稼動しない対応策として外付けモデムの導入事例を紹介します.次に,LinuxMLDIIIに導入済みのNetscape Communicatorを使って日本語表示のための環境設定について説明します.さらに,Netscapeで日本語のホームページを表示させたり,日本語で検索したり具体的な使用例についても紹介します.
 第6章は,LinuxMLDIIIでNetscapeとMuleを使った電子メールの設定方法と具体的な使用例について説明します.Muleでメールを使うために必要なソフトウェアmewとimはLinuxMLDIIIの付属CD-ROMから導入します.
 第7章は,統合ソフトウェアのApplixware日本語版を取り上げ活用例を紹介します.文書作成や表計算,グラフィックなどいずれも日本語が使えます.表計算では奇妙なカオス図形を描きます.
 第8章はLinuxMLDIIIをサーバーに,WindowsマシンとMacintoshをクライアントにしたネットワーク構築とXサーバーソフトを使ったネットワーク活用例について紹介します.Xサーバーソフトウェアを使うとクライアントからサーバーのアプリケーションが利用できます.家庭内LANやSOHOのネットワークに役立つ内容になっています.
   本書は日本語が使えるアプリケーションの中から,よく知られたフリーソフトウェアと商用ソフトウェア,それに関連のソフトウェアをいくつか取り上げています.Linuxの日本語環境にこれから挑戦してみようという方,日本語のアプリケーションをUNIX上で使ってみようという方,小規模なネットワークを構築してみようという方,…本書はこのような目的のきっかけや支援になれば幸いです.  


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