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HTテクノロジの概要

 図1のように32ビット論理プロセッサを2基装備した物理プロセッサという模式化が可能です.

〔図1〕HTテクノロジの概要

 具体的にどのようなリソースを共有しているかを説明します.

 次のリソースに関しては,論理プロセッサごとに独自に持っています.

汎用レジスタ


 この場合,論理プロセッサは32ビットCPUなので八つの32ビット汎用レジスタ(EAX,EBX,ECX,EDX,EBP,ESI,EDI,ESP)を装備しています.

コントロール・レジスタ


 80286から存在しています.プロテクト・モードとリアル・モードの切り替えに使用したり,例外の発生をコントロールします.

割り込みコントロール用レジスタ


 APIC(Advanced Programmable Interrupt Controller)と呼 ばれています.

 これはIntel社が1994年にリリースしたマルチプロセッサ向けのアーキテクチャ,およびそのための割り込みコントローラです.ユニプロセッサのPCではIRQは15までで,PIC(Programmable Interrupt Controller)で動作しています.これに対して,マルチプロセッサ対応のOSではAPICを使用しています.

 このオプションに関してはC++を説明する際に扱います.throw exceptionsをトラップするために使います.

 一方,共有するリソースは以下のとおりです.

● キャッシュ

● 実行ユニット

● 分岐予測器

● コントロール・ロジック

● バス

 これらを共有することで回路を簡略化し,消費電力を抑え,コストを低減しています.

(参考資料:Intel社の公式文書「ハイパー・スレッディング・テクノロジのアーキテクチャとマイクロアーキテクチャ」)



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