2007年5月号付属 V850マイコン基板
Q&Aコーナ
Q6.「F02a2: 強制ブレークはできません。」というエラーが発生して,ブレークできない.
A6.ユーザ・プログラムで下記1〜3に示すことを行っている場合に上記の現象が発生します.回避するためには1〜3を行わないようにしてください.
- DI(割り込み禁止)の状態がずっと継続している.またはEI(割り込み許可)を一度も行っていない
- UARTA0の受信割り込みをマスクしている.具体的にはUA0RICのビット6を“1”に設定している.
- ユーザ・プログラムでUARTA0に関係する周辺I/Oレジスタを設定変更している.具体的には,PMC3,PFC3,UA0CTL0,UA0CTL1,UA0CTL2,UA0OPT0,UA0STRなどの周辺I/Oレジスタを設定変更している.
上記の操作を行ってはいけない理由を簡単に説明します.
ID850QB-MONは,以下のようにV850ES/JG2のUARTA0を使用してデバッグ用の通信を行っています.デバッグ用の通信とは,例えばメモリをリードしたり,プログラムを書き込むといった操作をマイコンに通知するための通信です.
割り込みがマスクされた場合や禁止された場合(1,2に該当)は,ブレークの要求がマイコンに認識されませんし,UARTA0のボーレートが変更された場合(3に該当)などは,シリアル通信自体が正常に行われなくなります.
このため上記1〜3の操作を行わないようにすることで,デバッグ用の通信が成立し,エラーなどが発生しないようになります(図Q6-1).
図Q6-1
Q5.「F0c34: オンチップ・デバッグで使用する予約領域への書き込みはできません。」というエラーが発生して,プログラムのダウンロードやデバッガの起動ができないことがある.
A5.ID850QB-MONは,V850ES/JG2の図Q5-1に示すようにオンチップ・デバッグ用領域を使用します.
図Q5-1(クリックすると拡大します)
このためユーザが作成したプログラム領域が,この領域と競合している場合は上記エラーが発生します.
これを回避するためには,以下に示す回避方法を実施してください.
なお,ID850QB-MONを使用する場合,ユーザ・プログラムでUARTA0を使用することはできません.これについてはQ6を参照してください.
<回避方法>
● Applilet for V850ES/JX2(V1.70)を使用している場合,図Q5-2の赤枠内に示すように設定してください.
図Q5-2(クリックすると拡大します)
● Applilet for V850ES/JX2(V1.70)を使用していない場合,アセンブル・ファイルと,リンクディレクティブ・ファイルに,オンチップ・デバッグ用領域を確保する記述を追加してください.
方法については、V850ES/JG2ユーザーズ・マニュアル(U17715JJ2V0UD)の27.2節「DCUを使用しない方法」を参照してください.
具体的なサンプルは,6月号の「デバッグ」の章で使用するサンプルの下記ファイルを参照してください.
アセンブル・ファイル:MINI2_monitor.s (CD-ROMの\sp01\CQ\prjに収録)
リンクディレクティブ・ファイル:CQ_V850_debugger.dir (CD-ROMの\sp01\CQ\srcに収録)
Q4.「F0C72:モニタ・メモリにアクセスできません」というエラーが発生してデバッガが起動できないことがあります.
A4.デバッガID850QB-MONの不具合で,一部のPCでUSB仮想COMポートによる通信が正常に動作しないことが判明しました.誠に申し訳ありませんが,以下の手順で修正してください(このファイルはInterface 2007年6月号CD-ROMに収録されているものと同じものです).
- ID850QB-MON修正用ファイルをダウンロードしてください.
修正ファイル
- ダウンロードしたzipファイルを展開し,下記フォルダに上書きしてください.
C:\Program Files\NEC Electronics Tools\ID850QB-MON\V3.30\bin
※上記はID850QB-MONインストール時にデフォルトで指定されるパスです
Q3.Interface誌2007年5月号の付属CD-ROMに収録された開発ツールは,プログラムの容量について制限がありますか?
A3.2007年5月号,p.98の開発ツールの章にもありますように,制限は以下のとおりです.
- 仕様制限:生成可能なオブジェクト・サイズは256Kバイト
- サポート:技術サポートや不具合修正,バージョンアップ・サービスはなし
付属のマイコン基板に搭載されているCPU(V850ES/JG2)の内蔵フラッシュROMのサイズは256Kバイトなので,これを利用する範囲においては,制限はないと考えています.
Q2.FPLを起動したのにFPLがポートを認識しません.
A2.Interface誌2007年5月号,p.100にある,FPL.INIをWindowsのシステム・フォルダへコピーする作業を行なったどうかをご確認ください.
Q1.付属基板の回路図のPDFデータはないのでしょうか?
A1.2007年6月号(2007年4月25日発売)の付属CD-ROMに回路図のPDFデータを収録いたします.
また,下記リンクよりダウンロードできます.
V850マイコン基板の回路図(PDF) NEW!.
Copyright 2007 CQ Publishing Co.,Ltd.
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