再読・再観賞回数ランク

 本や映画へに対する思い入れを,作品の再読回数,再観賞回数のみで順位付け
てみました。


 引越しをする度に大量に本を処分します。気に入ったものを残しておくのは
当然なのですが,それでも何年か後に読みたくなって再び買ってしまうことが
しばしばあります。
 ここでは何度読んだか自分でもわからない本のうち,とにかくコイツを読み
返した回数は他よりも多いと思うものだけを挙げます。


  1. 「ガリバー旅行記」 ジョナサン・スウィフト 新潮文庫他
    よく知られている小人国や巨人国はともかく,ラプータのアホらしさや馬人フ
    ーイヌムとヤフーの脱力的が最高。読み終わった後の虚脱感が捨て難い。
    こういう本を何度も読み返しているから,性格が変になったのかもしれない。

  2. 「貧困なる精神」ほか 本多勝一 朝日新聞社他
    本多教などと称するらしいが,それなら私は立派な信者である。特に貧困なる
    精神シリーズは何度読み返したかわからない。

  3. 「完全なる真空」 スタニスワフ・レム 国書刊行会
    架空の本を書評するというメタフィクション。衒学っぽいところもあるが,都
    合の良いエッセイの形式として使ったのかもしれない。面白いのは,本書の書
    評項目に「完全なる真空」が含まれているところ。完全自己回帰形式なのであ
    る。

  4. 「スローターハウス5」 カート・ヴォネガット・ジュニア 早川書房
    時間の中をさまよう,常に被害者として生きた男の話。悲惨で救いようの無い
    エピソードが,どこかユーモラスに語られていく。虚無感に満ちているが,視
    点はやさしい。
    こういう本を何度も・・・

  5. 「風姿花伝」 世阿弥 岩波文庫他
    示唆に富む,なかなか奥の深い本です。私が指南書として唯一愛読している本。

  6. 「影との戦い」 アーシュラ・ル・グイン 岩波 同時代ライブラリー
  7. 「モモ」 ミヒャエル・エンデ 岩波書店
    この2作品は,表向き児童文学ということになっているのだが,さにあらず。

  8. 「1984」 ジョージ・オーウェル 早川書房
    社会というシステムの理想的な完成像とはいかなるものか? 政治権力が欲し
    くていろいろと小細工をしているような政治家センセにとっての理想社会は,
    きっとこんなもんなんでしょう。
    こういう本を・・・


映画

 貧乏人なので,何度も映画館に通う事はできません。したがって,これまで
ビデオで何回くらい観たかで順位付けています。テレビ放映で観たようなもの
は除き,自分が観たいと思って再び観た回数です。


  1. ブレードランナー 無数
    マイ・ベスト・オブ・ベスト。そうとしか言いようが無い。高校生の頃,初めて
    劇場でこの映画を観たときのショックは,十数年経った今でも忘れられない。
    以降,英語版ビデオを大枚はたいて購入して以来,日本語版,完全版,ディレク
    ターズ・カットなど,すべて購入してしまっている。魔術的な映像美といたたま
    れなくなるストーリーは何度観ても飽きない。

  2. レイダース 25回程度
    これこそ娯楽映画の集大成。エンターティンメント・ストーリーのお手本だと個
    人的には思っています。あまりにも面白く,あまりにも抜け目無い。面白すぎる
    のでノートにストーリー構造やキャラクターの関係図を書いて,なぜ面白いのか
    分析しようとしたことすらあります。

  3. スタートレック2 カーンの逆襲 20回程度
    スタートレックは結構不思議なシリーズで,単に軽いだけの話や安直すぎる話に
    まじって時々,妙にシリアスで重たい話が混じる。この映画はシリーズの中で唯
    一,ギャグや軽さでごまかすことなく,娯楽性に徹し,飽きさせない。また,ほ
    んのチョットだけ混入されたシリアスな要素も味わい深い。

  4. カーブの世界 12〜3回程度
    ジョージ・ロイ・ヒルというと,「スティング」や「明日に向かって撃て」とい
    った作品のほうの人気が高いのだろうと思うが,個人的にはこの作品がベストで
    ある。人生泣き笑い劇場といった感もあるが,開き直っているとしか思えない超
    ドラマチックなストーリー作りが見ていて心地よい。

  5. ロッキーホラーショウ 10回程度
    映画が好きで,SFが好きで,それらを取り巻く雰囲気が好きな人にとっては非常
    に大切な映画。

  6. 時計じかけのオレンジ 7〜8回程度
    表向きはディストピア映画,しかしどう考えてもピカレスクロマンが売り物の映
    画。主人公のマルコム・マクダウェルが非常に魅力的で,その魅力が,凄まじい
    暴力や過激な性描写を甘美なものに変えてしまう。
    こういう映画ばかり観ているから・・・

  7. 未来世紀ブラジル 6〜7回程度
    ギャグ,ブラックジョーク,政治・社会的にシャレにならないネタ,斬新なセット
    のオンパレード。奇妙な味わいの映画。がんじがらめのお役所社会で起こる出来
    事は,どんな悲惨な出来事であっても,全てギャグに見えてしまう。その中にあ
    って,自由に生きようとする主人公。残忍な仕事もお役所的生真面目さをもって
    勤勉にこなしてしまう人々。規則の前に,感覚が麻痺してしまった社会が面白お
    かしく,同時に気持ち悪い。
    こういう映画ばかり・・・

  8. ストーカー
    惑星ソラリス
    魚が出てきた日 5回程度
    ストーカーと惑星ソラリスはあまりにも有名なので説明する必要はないだろう。
    魚が出てきた日は,奇抜なファッションとほのぼのと続くリゾート風景がラスト
    2分で突然,地獄へと変わっていく戦慄の映画。


Return to =Ю's page
Copyright
CQ Publishing 1996