2002年6月号

20世紀最大の発明ともいわれる万能LSIを徹底理解する

特集 これでわかる!マイクロプロセッサのしくみ

 誰もが何気なく使っているマイクロプロセッサは,たとえ同じLSIであってもプログラムを変えることによって変幻自在に活用できるという,非常に便利なLSIである.ソフトウェアという存在に大きな 注目を集めさせ,重要な存在たらしめたのもマイクロプロセッサの 登場によるものだろう.現在では,社会的な規模のシステムから家庭電化製品に至るまで,幅広くマイクロプロセッサが採用され,現在の我々にとってなくてはならない存在となっている.  本特集では,マイクロプロセッサとはいったい何なのか?という 根本的な疑問に立ち返り,原理から説明を始め,最新のプロセッサにいたるまで基本的な考え方は変わっていないこと,およびマイクロ プロセッサが誕生してから現在に至るまでの間に,確実に進化してきたということを検証する.

序章 マイクロプロセッサの先駆的開発者に伺う
技術開発と教育 嶋 正利

第1章 CPUという不思議なLSIについて考えてみよう
マイクロプロセッサの基本 大貫 徹

第2章 CPUの使いやすさや性能に大きな影響を与える
命令セットとメモリ 大貫 徹

第3章 ソフトウェア技術を飛躍的に進歩させた要因
プログラミング言語とコンパイラ 大貫 徹

第4章 現代のソフトウェアでは当たり前になっている
複数の仕事を並行処理するしかけ 大貫 徹

第5章 小規模なCPUを作ることで,そのしくみを理解する
4ビットマイクロプロセッサの設計 小林芳直/名村 健/加藤健矢/張 平

第6章 CPUの動作を高速化させるために考え出された技術
フェッチとキャッシュ,パイプラインのしくみ 日高亜友

Appendix メモリ管理のしくみを理解する
MMUによるアドレス変換 鎌田 誠

第7章 なぜたくさんの種類のCPUアーキテクチャが存在するのか
マイクロプロセッサのアーキテクチャ 広畑由紀夫

第8章 進化の果てには何が待ちかまえていたのか?
最新マイクロプロセッサのしくみ 広畑由紀夫


序章 マイクロプロセッサの先駆的開発者に伺う
技術開発と教育

 嶋 正利氏(現会津大学教授)は,本誌別冊付録に再収録されているように,世界最初のマイクロプロセッサ4004を開発した人物である.同氏は,4004のほかにも8080,Z80,Z8000などの画期的なプロセッサの開発に携わり,全世界のコンピュータ産業に大きな影響を与えた.
 今回,マイクロプロセッサについて特集するにあたり,嶋 正利教授に「マイクロプロセッサがもたらした社会への影響」,「技術開発と教育」,「現在の研究課題」などを語っていただいた.
 また,歴史的に貴重な写真をお借りすることができたので,同時に掲載する.
(編集部)

このページ以降で特集の内容の一部をご紹介します



インデックス

マイクロプロセッサがもたらした社会と経済の変化
SoC時代におけるマイクロプロセッサの理想的な教育
Java言語を使ったサイクルアキュレイトプロセッサモデリング

Copyright 2002 嶋 正利


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