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ジェットウェイとメインボードのできるまで
			
●はじめに
		
 ジェットウェイに行ってきました。2年ぶりの訪問です。2年前はBXメインボードの取材で行きました。
		
 台湾ジェットウェイ入り口
 台湾ジェットウェイ入り口
 ジェットウェイは、メインボードを中心にサウンドカードやグラフィックスカードを手がける専門メーカーです。日本では、OEM以外のお客さんがなかったので知っている人は少ないですが、ヨーロッパなどではかなり有名です。
		
 セールスエンジニアのエリックさんも元気に対応してくれました。
		
 ジェットウェイの設立は1986年の夏です。その後、1997年にアメリカ、1998年にオランダとシンガポール、1999年には中国に支社現地法人を設立しました。
			
		
●R&D:設計部門について 
		
 ここで、R&D:設計部門の力配分を示しましょう。
		
| Intel Chipset | 13% | 
| VIA Chipset | 13% | 
| SiS Chipset | 13% | 
| BIOS | 13% | 
| Application Test | 26% | 
| Customer Service | 13% | 
| Documentation | 9% | 
 BIOSに力を入れていることと、互換性テストにかなりの力を入れていることがここから読みとれます。これはジェットウェイだけのことではなく、ジュリアスが取材した感じではほかのメインボードメーカーでも同様である、と思われます。
			
		
●ジェットウェイのマーケット状況
		
 ジェットウェイのマーケット状況については表を見ていただくとして、ジェットウェイのマーケットがヨーロッパに多いことが理解できます。
			
		
| 1999年 | 2000年 | |
| ヨーロッパ | 33.00 | 38.57 | 
| アメリカ | 5.00 | 11.71 | 
| アジア | 39.80 | 29.74 | 
| 中東 | 1.43 | 1.12 | 
| アフリカ | 1.25 | 1.12 | 
| オセアニア | 4.16 | 3.60 | 
| その他 | 15.36 | 10.39 | 
		
●ジェットウェイとメインボードのできるまで
		
 メインボードができるまでをここで簡単に紹介しましょう。
		
		
●ジェットウェイの工場
		
 ジェットウェイの台湾工場では、1ヵ月に50Kの製品を製造します。中国工場では130Kの製品を製造します。ただし、2001年には、製造の中心は中国に移るようです。
		
 中国工場のコストは台湾の10分の1ということですから、中国に工場が移っていくのはジェットウェイだけではなく、台湾PC産業全体の傾向といえるかもしれません。ジュリアスはPC産業を台湾の伝統工芸と考えているので、これは台湾伝統工芸の危機ともいえるでしょう。
		
				●今回の取材で興味を持ったもの
		
 一連の製品中興味を持ったのは、IB3という小型メインボードです。特にATであることが気に入りました。         
		
		
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						IB3のスペック | |
| 133MHz F.S.B. Intel 810E Chipset On Board VGA On Board AC’97 CODEC Audio PC Health Monitoring Support Ultra DMA 66 Baby AT Form Factor |  | 
		
 さて、その次はSiS630S搭載のATXメインボード630AFです。スタッフの話では、SiSの第一番目お客さんはPC-CHIPS/ECSで2番目はジェットウェイなのだそうです。ただし、SiS630系に関してはIBMが採用したので、IBMのAptivaを作っているUSIやProcomp社もお客さんとして有力だと想像できます。
		
 SiS630についてジェットウェイのスタッフは、価格的に815Eとの差がまだ少ない、もう少し差が出てくればメリットが大きくなるのですが、と話してくれました。SiS630S搭載のATXメインボードは珍しいですから、がんばって欲しいです。
		
 今回はテストまでには至りませんでしたが、630AFの実物を入手しました。近くテスト結果をお知らせします。写真を見れば解るようにSiS630Sは本当にシングルチップです。もっと普及して欲しいですね。
			
			 630AF
 630AF
					
| BIOSに思うこと  意外と知られていないことですが、BIOS設定項目の中の幾つかは、ユーザーが設定を変更してシステムを高速化する、と言うような意味や、互換性を考慮したわけではない項目があります。メーカーのエンジニアが完成したメインボードをテストする際、設定を変えてテストできるように用意されているのです。  要するに、BIOS設定項目中のいくつかの項目は、メーカーのエンジニア向けであり、ユーザー向けではないのです。ユーザーは設定を変更すべきではないし、変更しても大きな効果は期待できないでしょう。しかし、このことはいないとされておらず、BIOS関連記事の中にこのことに関する記述がないのが残念です。 たとえば、Spread Spectrumやメモリ関連の設定は多くエンジニア用です。メモリなど、BIOS設定項目以外にもパラメータがあり、もし、クリティカルに設定したければ、BIOS設定項目をさわるだけでは不足なのだそうです。 | 
Copyright 2001 岩村益典