TOPOWER COMPUTER IND.CO.LTD
(http://www.topower.com.tw/)

7th FL. LANE 235 PAO CHIAO ROAD,231 HSIN TIEN CITY,TAIPEI HSIEN, TAIWAN,R.O.C

 TOPOWER社は,台北縣新店市にあります.この新店には,VIA社の本社やGIGABYTE社などがあり,最近MRT(台北市新交通システム)の新店線が開通したため,とても便利になったところです.
 TOPOWER社は,おもに筐体や電源装置を製造販売しているメーカーです.日本のショップで販売されているモデルも多くあります.TOPOWER社に行って最初に感じたのは,女性の社員が多いこととオフィスが整然としているところです.風水に従って配置されているのではないかと思います.
 なお,筐体と電源装置は自ら製造していますが,実際の製造は主として中国大陸の工場で行っています.その他,スピーカやファン,USB機器や通信小物を販売していますが,これらの多くは代理店としての販売で,製造してはいません.電源や筐体は,通常のPC/AT互換機用から,工業用,サーバー用まで幅広く,特注も受けています.
 実は,この企業をある台湾メインボードメーカーの紹介で訪ねました.昨年から日本でも多くの市場を取ったベアボーンに多くの台湾メインボード企業は注目しています.ベアボーン用の筐体,FlexATX用の筐体をTOPOWER社に特注しようとしているメインボードメーカーが筆者を紹介してくれました.
 TOPOWER社の設立は1986年,工場は台湾と中国大陸にあります.なお,中国大陸の工場が完成したのが1997年ですから,ちょうど人件費の問題で台湾国内での工場運営が一般的に苦しくなってくる頃にも一致します.
 筐体は,メインボードなどと異なり,容積と重量が大きいため,コンテナによる船便となります.1回の輸送で300〜500セットを運びます.今回お話を伺ったCathyさんによると,一番のマーケットはアメリカで,日本は5番以内に入る重要なマーケットだそうです.ただし,日本というのは,あくまでもDIY市場向けの出荷で,OEM出荷は含んでいないそうです.
 電源や筐体にはかなりの自信を持っているようで,放熱問題やノイズを解決できるよう常に製品に改良を加えているとのことです.最近,日本でもよく見かける,カラーのスケルトンケース(写真3)もあり,フロントパネルを複数の部品で構成し,好きな色のものを選択することで,いろいろなデザインのフロントパネルを実現しています.
 日本に出荷する場合には,電源装置を取り付けた形ですが,アメリカ向けに出荷するときは,オーダーごとに注文内容が異なり,電源装置のみの出荷や,筐体のみの出荷,電源装置を筐体の組み合わせにバリエーションを持たせる,などいろいろなのだそうです.
 日本では,PC/AT互換機の自作ブームが始まる頃のATタイプの筐体から,通常,電源装置付きで筐体を販売していたので,日本の多くのユーザーは筐体を購入すると電源は付属していると思っている人も多いようです.
 Cathyさんは,日本語学校に通っているほど日本が好きで,日本のお客様はいい人ばかり,と語ってくれました.筆者の感触では,日本で利潤が上がるパーツの1つが筐体や電源装置です.台湾国内と日本国内と価格を比較した場合,メインボードやCPU,ハードディスクなどはほとんど同じ価格ですが,筐体や電源は台湾のほうが安いですし,雑誌で見る限りアメリカも安いです.メインボードなどとは比較にならないほど利益率が高いので,筐体を売る商売は景気がよいのです.そのことを実感できる訪問でした.

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