■リアルタイム伝送とベストエフォート■
「通信相手にできるだけ届いてくれればよい」という通信の信頼性でもかまわないアプリケーションがあります.リアルタイムに情報を送る場合がそれです.
たとえば,Real Network社のRealPlayerというアプリケーション(図A)があります.インターネット上に,リアルサーバという動画像を配信するサーバを設置します.ユーザーは,RealPlayerと呼ばれるクライアントソフトウェアを使って,リアルサーバから音や動画像を受信します.RealPlayerのほかには,Microsoft社のWindows Media PlayerやApple社のQuick Timeなどが有名です.
配信される動画像(や音)は,テレビのニュース画面や,展示会などの講演会の画像などさまざまです.送られてくる動画像は,リアルタイムであることが重要とされています.たとえ数コマ画像が抜けたとしても(いわゆるカクカクと動く画像)それは気にせず,次の画像をできるだけ表示しなくてはなりません.
これはまさしくベストエフォート型の伝送路が必要となります.もしTCPなどの再送の手続きが起こると,そこで伝送に時間がかかってしまって,次の画像までの時間が間延びしてしまい,見ていて逆にギクシャクしてしまうからです.
そのため,リアルタイムに情報を送るときは,TCPではなくIPネットワークのベストエフォート性をそのまま使うことができるUDPを用います.
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