- UDP
- 一方で,できるだけデータが届けばよいというベストエフォートでかまわないアプリケーションもあります.また,TCPとは相性が悪いアプリケーションや,TCPより性能は悪いがもっとコンパクトなプロトコルを独自で実装したいアプリケーションもあります.こういったアプリケーションのために,IPプロトコルにアプリケーションを判別するためのポート番号を付加しただけのUDPというプロトコルがあります.
UDPを使うアプリケーションとして有名なものとしては,次のようなものがあります.
- DHCP(動的ホスト設定プロトコル)
- TFTP(簡易ファイル転送プロトコル)
- NFS(ネットワークファイル共有システム)
〔図8〕TCP/IPによる通信システム
- ● まとめ
- TCPとUDPとIP,さらにデータリンク層やアプリケーションの関係を図8にまとめました.
- IPネットワークは,信頼性はあまりないが,「できるだけ相手に届くようにがんばる」ネットワークである.
- アプリケーションソフトウェア同士は,アプリケーションが要求する通信の信頼性に応じて,TCPかUDPを使って通信を行う.
- TCPは,IPネットワーク上で高性能な信頼性のある通信を行うためのしくみである.
- UDPは,IPネットワーク上でベストエフォート型やアプリケーション独自の信頼性を確保するときに使う.
- TCPとUDPは,前回解説したポート番号の機能を持っていて,コンピュータの中で複数のアプリケーションソフトウェアが同時に通信するしくみも提供する.
よくTCP/IPという言葉がありますが,信頼性確保のためのTCPとパケット中継のためのIPという2つのプロトコル名をつなげた言葉です.このTCPとIPという2つのプロトコルが柱となって,インターネットは構築されています.
* * * *
次回からは,インターネット上の名前であるドメイン名を管理するDNSについて解説する予定です.
|