図2は,あるネットワークの模式です.図中のコンピュータAは,インターフェースを1つだけ持っており,そのIPアドレスは10.0.0.3です.
 また,コンピュータBはインターフェースを2つ持っており,それぞれ10.0.0.1と10.0.12.3というIPアドレスを割り当てられています.IPパケットの中継を行うコンピュータ(ルータ)は,2つ以上のインターフェースを持っています.
 IPアドレスは数字の羅列であるため,人間には覚えにくいものです.そこで,このIPアドレスになんらかの意味のある文字列を対応づけることにしましょう.例えば,コンピュータAがWebサーバであればwwwという文字列,コンピュータBの10.0.0.1にはproxy,10.0.12.3にはrouterとします.このように文字列を対応づけると,IPアドレスの代わりにホスト名を使って,
 
ping www
 
とすればWebサーバにpingができますし,Webブラウザのプロキシの設定のところに,IPアドレスではなくて,proxyというホスト名を入力すればよくなります(図3).
・IPアドレスが変わってもホスト名はそのままでOK
 IPアドレスに文字列を対応づける利点として,もしIPアドレスが変わったとしてもホスト名との対応関係だけを変更すれば,アプリケーションでは設定を変えなくてもよいということがあります.
 もし,WebサーバのIPアドレスが10.0.0.3から10.0.0.2に変わったとしても,
 
ping www
 
とすればWebサーバにpingができますし,WebプロキシのIPアドレスが10.0.0.1から10.0.0.100に変わってもWebブラウザのプロキシの設定は,proxyというホスト名のままで変更する必要はありません.
 こうしてみると,ホスト名は単純にIPアドレスと人間が覚えやすい文字列を対応づけるだけではなく,ある機能を提供するコンピュータの名前とIPアドレスを対応づけるものだということです.

   〔図2〕IPアドレスにわかりやすい文字列を対応づける

〔図2〕IPアドレスにわかりやすい文字列を対応づける


   〔図3〕ホスト名による設定の例

〔図3〕ホスト名による設定の例


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