見つけた
LED,センサ,モータを当たり前のように使う小学生

 2011年12月8日,埼玉県所沢市立松井小学校にて,生徒による計測・制御の研究発表会が行われた(写真1).
トラ技ジュニアでは,研究発表会の様子を取材してきたので,報告する.

テーマは「みんなの願いが実現する社会をめざして〜人と人とをつなぐコミュニケーション・ツール作り〜」

 6年生どうし,3,4人を一班として行う(写真2)
 研究の素材として,パソコン,信号入出力基板,プログラム用ソフトウェアが一班に一台支給される(写真3).
 テーマの具現化のために,情報を発信する人と情報を受け取る人に分け,両者は壁の向こうとこちら側に居るとする(実際は2台のパソコンを画板で隔てる,写真4).
 情報発信側は,パソコンにインストールされたスクラッチ(後述)と,スクラッチからの指令を伝える信号入出力基板(なのぼ〜ど http://tiisai.dip.jp/?page_id=935)を用いて, LEDを光らせたりモータを回したりする.
 情報を受け取る側は情報をLEDの明るさを入出力基板上の照度センサで読み取ったり,モータの先に付いた矢印の指し示す言葉で読み取ったりする(写真5).

 会場では,ひかる君,矢印あいさつ君,天使の声などといった装置が紹介されていた.
 6年生はこの授業を,5年生だった昨年と同様,10月〜12月の間,週に2時間受けた.

 担任の寳迫 芳人先生は,「授業を通して観察,情報の分析,アクション,フィードバックとった論理思考を身に付けて欲しい. そのような機会をむしろプログラムに出会わなかったであろう子供達に提供したい」とする.

 活動を後押ししている埼玉大学教育学部の野村 泰朗氏は,「コンピュータはウェブを見たりワープロをするためだけでなく,このような計測・制御に使えることを知って欲しい. そして自宅のパソコン上で自分だけの防犯装置や自分だけの便利グッズを作って欲しい」とする.

 スクラッチ(Scratch http://scratch.mit.edu/)は,ブロックを組み立てるような作業でプログラムを作成できるツールで,MIT Media Labによって開発された. 例えば,「もしスライダ・バー(可変抵抗器)の値が20以上であれば,LEDを光らせる」といった指令を,従来のプログラミング言語を知らなくても入力できる(写真6).


写真1

会場の様子.


写真2

6年生どうし,3,4人を一班として行う(写真2).



写真3

研究の素材として支給される,パソコン,信号入出力基板,プログラム用ソフトウェア.
一班に一台支給される(写真3).


写真4

情報を発信する人と情報を受け取る人に分け,2台のパソコンを画板で隔てる.


写真5

情報を受け取る側は,情報を照度センサや矢印で読み取る.


写真6

スクラッチは,ブロックを組み立てるようにしてプログラムするMIT Media Labで開発されたツール.
明るさセンサーの値によってxx音を鳴らす指令を設定する例.