編集部
2014年4月14日,教育版レゴ マインドストームのユーザを対象としたワークショップが,モノづくりインキュベーション・センター「MONO」(東京都江東区青海)にて開催されました.教育版EV3ソフトウェアの開発者であるChris Rogers博士(米国タフツ大学教授)が自らレクチャすると聞き,勇んでワークショップに参加してきました!
席に着くと,1人につき1セットずつのレゴ マインドストームEV3とプログラム開発用パソコンが用意されています.EV3のセットの中には,心臓部となるマイコン・ブロックやモータ,超音波センサなどがレゴ・ブロックのパーツの一つとして含まれています.それらを自由に組み合わせて,まずは「超音波で前方との距離を測りながら前進できるロボット」を,各自が自由に組み立てます.
ロボットを組み立て終わったら,プログラムです.まずは「前進し,障害物があったら5cm手前の位置で止まる」プログラムを.それができたら,「障害物を検知したらだんだん速度を落とすようにする」,「障害物が遠ざかったら再度前進するようにする」,などと,プログラムを変化させていきます.
ゼロから作り上げるのは思った以上に工夫とセンスが必要.でもそれが楽しい!
EV3の動作プログラムは,アイコンを並べて設定値をいじるだけでだいたい完成します.センサの値に応じてモータの動きを変えることができます.モータの出力パワーは固定値で与えることもできますが,センサの取得値を基に計算式を入れることもできるので,工夫すればけっこう複雑な動作を記述できます.
「前進し,前方に障害物があれば5cmの車間距離を保つ」というプログラムで,参加者の作ったロボットを並べて実行してみました.一見すると自動追従システムのようです.ロボットたちが押し合いへしあいしていたり,微妙に列を乱して暴走したりするのが愛らしかったです.
ひとしきりロボットで遊んだ後は,Chris Rogers博士のお話がありました.教育のやり方には「Telling(話して聞かせる)」,「Showing(やってみせる)」,「Exploring(自由にやらせる)」などがあり,「記憶に残る」という観点でいうと,Exploring > Showing > Tellingであり,これらを状況に応じて適切な割合で組み合わせるのがよい,とのことでした.
具体的な授業の例としては,「Silly Walk(ひょうきんな動き)」というテーマで自由にロボットを作って発表してもらったり,数学の授業として数式を含んだプログラムを作った例を挙げていました.さらに,作品のプレゼンテーションを行ったり,それをSNSにアップして作品集を作ってみたりと,いろいろ応用できそうです.
限られた授業時間の中で「自由にやらせる」のは難しい面もあるかと思いますが,アイデアが湧いてくると,いろいろやりたくなりますね.いちばんのポイントは,アイデアを触発させるテーマ設定にあるのではないかと思いました.Chris先生の授業は楽しかったです!