実務教育応援プロジェクト第7弾
先生向け特別技術セミナ「作って測る! 回路仕上げのテクニック」開催報告

編集部

 

 2016年8月24日(水),トラ技ジュニアを配布くださっている先生方を対象とした特別技術セミナ「作って測る! 回路仕上げのテクニック」を開催しました.1〜2人に測定機器1セットずつ,という環境で,日ごろは教える立場である先生方に,受講側として講義と実習セミナを堪能いただきました.

 

 

本編:「作って測る! 回路仕上げのテクニック」

 講師はベーシックデザインの渡辺 裕之氏です.最初に,電子回路は基本回路の組み合わせとして扱えること,基本回路の種類によって配置を考慮する必要があること,回路図上は0Ωとされているピン・ヘッダや配線にも抵抗値があり,厳密な値が必要な場合は注意が必要であることなどについて,デモンストレーションを交えた講義を行いました.

 

 

 実習では,回路図を基に,基本的な定電圧電源回路の作成を行います.回路図は同じですが部品は思い思いの配置で,ユニバーサル基板にはんだづけしていきます.

 

 


部品配置はさまざま

 

 出来上がった定電圧電源回路の出力を測り,(1)目指した電圧を作り出せていること,(2)回路に負荷をつないでも電圧が下がらないこと(「定電圧」回路のはずなので),を確認しました.値に変化が出てしまった実装例については,何が原因なのかを解き明かしました.

 

特別講演:科学実験「窒素ショー開催」

 続いて,液体窒素を使った科学実験「窒素ショー」を行いました.新潟大学 工学部 電気電子工学科 電気エネルギーシステム 准教授の小川 純 氏が実験道具いっさいがっさいを持ち込み,液体窒素を使った超電導(電気抵抗がゼロになる現象.superconductivity)の実験を披露しました.
 小川先生の軽妙な語り口と流れるようなパフォーマンスに,思わず引き込まれました.

 


新潟大学 准教授の小川 純氏.窒素ショー歴:20年だとか

 


磁石で作ったレールの上を滑るように往復する超電導体

 


ピン止め効果で超電導体との相対位置が固定された磁石.超電導体を持ち上げたり傾けたりしても相対位置が変わらない

 

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 セミナ終了後は,恒例の懇親会です.講師と先生方,スタッフで有意義な交流の機会を持たせていただきました.連載記事「深海のエレクトロニクス」の筆者である,東京海洋大学の後藤 慎平氏にも飛び入りで参加いただきました.ご参加いただきました皆さま,ありがとうございました.

 

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