特設記事 WindowsユーザーのためのLinux周辺機器大全(2) セクション3 (2) SCSIボード (2) 臼田 昭司/伊藤 敏/井上 祥史 |
3-3 光磁気ディスクMO 臼田 昭司 |
MOは欧米ではあまり使用されていないと言われていますが,国内ではリムーバブルディスクとして広く使用されています.MOはリムーバブルディスクでありながらHDと同様に高速化,大容量化の方向にあります.多くのMOはSCSIデバイスなので,Linuxで認識したSCSIボードまたはSCSIカードに接続して使用することができます.
試用したMOを表3-3-1に示します.アイ・オー・データ機器製MOF-1300(写真3-3-1)は,これまでスタンダードであった640MBに加えて1.3GBの大容量MOディスクの使用が可能です.いずれのMOも使用できるSCSI規格はSCSIまたはSCSI-2です.
以下に,MOの試用例について紹介します.
● 640MB MOディスク試用例
図3-3-1はSCSIボードにアイ・オ−・データ機器製SC-PCI(表3-1-1参照)を使用し,同社製MO(MOF-H640)を接続してdmesgコマンドでMOの認識を確認した例です.ここでは,LinuxMLD
IIIを使用しています.MOの認識は図中の,
Vendor : FUJITSU Model : M2513E Rev : 0050
Type : Optical Device ANSI SCSI
の記述個所です.SCSIデバイスsdaとして認識されています.図3-3-2は640MBのMOディスクを/mntの下のディレクトリdisk1にマウントした例です.図3-3-3はホームディレクトリに置いてあった適当なファイルをMOにコピーした例です.
<図3-3-1>SCSIボード(SC-PCI)に接続したMO(MOF-H640) の認識を確認する |
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MOにext2ファイルシステムを作成することができます.MOはHDと異なりリムーバブルなデバイスなので,Windowsとのデータ共有を行うため通常はDOSフォーマットで使用します.用途によって,たとえばLinux専用に使用するのであればext2ファイルシステムを作成することも必要になるかもしれません.
図3-3-4と図3-3-5は,640MBのMOディスクにext2ファイルシステムを作成した例です.図3-3-6はこれをマウントした例です.図3-3-7はマウント後のMOに適当なファイルをコピーした例です.図3-3-8はコピーしたファイルを削除してMOをアンマウントした例です.
写真3-3-2はLinuxMLD IIIで640MB MOを試用しているところです.
● 1.3GB MOディスク試用例
1.3GBのMOディスクについても同様の使用確認をします.図3-3-9はdmesgコマンドでMOの認識を確認した例です.Vendorなどの表示で確認できます.
図3-3-10は通常のDOSフォーマットのマウント例です.図3-3-11,図3-3-12,図3-3-13はext2ファイルシステムを作成し,これを/mnt/disk1にマウントしてdfコマンドでMOディスクの容量を確認した例です.
新しい大容量の1.3GB MOディスクも640MB MOディスク同様にLinuxで使用することが確認できました.
写真3-3-3はLinuxMLD IIIで1.3GB MOを試用しているところです.
● 回転数が異なるMOの試用例
MOディスクの回転数は3600rpmが主流でしたが,最近は4500rpmに移行しつつあります.MOもHDと同じように高速回転の方向にあります.上記の1.3GB
MOは640MBまでのディスクの回転数は4500rpmですが,1.3GBのディスクでは3214rpmです.ここではメルコ製のMOS-S645H(3600rpm,640MB)とMOS-640S(4500rpm,640MB.写真3-3-4)について紹介します.
試用したSCSIボードは同社製のIFC-DP(写真3-1-4参照)です.
図3-3-14は3600rpm MOの場合で,dmesgコマンドでMOの認識を確認した後マウントして,dfコマンドでMOのディスク容量を確認した例です.
MOは次のように表示されています.
Vendor : KONICA Model : OMD-7062 Rev : 1.06
Type:Optical Device ANSI SCSI revision : 02
図3-3-15はアンマウントした後dfコマンドを実行した例です.写真3-3-5はLinuxMLD
IIIで3600rpm MOを試用しているところです.
以下略
copyright 1999 臼田 昭司/伊藤 敏/井上 祥史