シリアルポートとパラレルポート

copyright 岩村 益典 1996-1999

 PC/AT互換機には,外部とのデータの受け渡しのため標準でシリアルポートやパラレルポートがついています.シリアルポートとしては,COM1からCOM4が用意されています.普及型のPCでは,COM1の一つしか搭載されていません.モデムやISDNのターミナルアダプタ(TA)などをつなぐために利用します.
 パラレルポートには,普通,プリンタを接続します.パラレルポートもシリアルポートもこれらの機器のみではなく,スキャナやストリーマなどを接続することもできます.
 右の写真はAT用マザーボードに撮りつけるシリアルとパラレルのケーブルですが,現在のATXのマザーボードは,直接基板にコネクタが取り付けられています.


シリアルポート

 シリアルデータ転送を行う周辺機器を接続するインターフェースです.シリアルデータ転送では,データを1ビットずつ送ります.コネクタは9ピン(または25ピン)のオスのD-SUBが用いられます.これらの仕様はRS232Cに準拠しています.
 COM1から,COM4の四つが用意されています.実際に使われるのはCOM1とCOM2です.

RS232C(Recommended Standard 232-C)

 シリアルインターフェースの規格で現在よく使われているものです.正式にはANSI/EIA-232-Eといいます.

モデム

 PCには必需品となったモデムですが,300〜1200bpsの時代にHayes社のATコマンドで制御関係が標準化され,2400〜28,800bpsの高速モデムの時代には圧縮とエラー訂正についてMNPで統一されました.
 現在,56Kbpsが主流です.

MNP(Microcom Networking Protocol)

 Microcom社が開発したモデムのプロトコルです.Class1〜Class10まであります.次のような構成になっています.

Class1から4 エラー訂正プロトコル
Class5から9 データ圧縮プロトコル
Class10 移動体通信用のプロトコル

ATコマンド

 Hayes社が開発した,モデム制御コマンドのことです.コマンドの先頭にAT(ATentionの略です)という文字を付けるのでATコマンドと呼ばれます.

 現在はモデムの標準的なコマンドとして普及しています.ただし,メーカーごとに独自の機能拡張をしているので,メーカー間の互換性はそれほど高くありません.

パラレルポート(Parallel Port)

 プリンタなどのパラレル転送を行う周辺機器を接続するインターフェースです.コネクタは,25ピンのメスのD-SUBが用いられます.パラレル転送では,複数ビットのデータを並列に転送しますから,シリアル転送に比べて,多くのデータを同時に転送できます.

シリアルとパラレルの違い

 シリアルとパラレルの違いを図に示しておきます.シリアルではデータを1ビットずつ送り,パラレルでは複数のデータを並列に転送します.

●パラレルに接続できる機器として,スキャナやCD-ROMなどがあります.パラレルポートに取り付けるので,ノートパソコンでも取り付けが簡単です.


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