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What's New 2005/04/15

メルマガ配信 (写真) ただいま休止中です。

Vol.68(Computex Taipei 2003) 。本日夜に配信します。9/25

Vol.67(Athlon用Upgradewareの新製品) 。6/26
 Vol.66(SARSの恐怖 その1) 。5/6
 Vol.65(Windowsメッセンジャ、最近発見したこと) 。3/13
 Vol.64(HP-pavilion2000のCPUアップグレード) 。2/21
 Vol.63(こんなのもありますよ。つづき、アップグレード雑考) 。1/14
 Vol.62(ガッチャンのすすめ、こんなんもありまっせ) 。12/25
 Vol.61(結局、CLIEを買いました、U-Buddieと台湾で買ったLCD、Upgradewareの新製品) 。12/3
 Vol.60(今、宿舎にいます、LCDディスプレイを買いました、 これってラッキー) 。11/12
 Vol.59(プリンタをたずねて3000里?) 。10/18
 Vol.58(クーラーに賭けた男たち、Powerleap究極のゲタ、中秋節だカオローだ!) 。9/30
 Vol.57(あこがれの流しそうめんセット、じゃりんこ貞子、台北駅がマニラになる日、そして観光地になくてはならない秘宝館、370GUアップグレード記) 9/9
 Vol.56(最強のモバイル環境、Upgradewareからの贈り物) 。8/30
 Vol.55(PC復旧奮戦記,台湾中部への旅) 。8/20
 Vol.54(upgradeware technologyのアップグレード製品) 。8/9
 Vol.53(緊急報道:Powerleapの新ソリューション、eo64とベアボーンで電池切れ) 。8/2
 Vol.52(DeskNoteその2、ECSのPentium4メインボード) 。7/24
 Vol.51(台湾で医者にかかる、DeskNote活用記) 。7/10
 Vol.50(赤外線通信大好き、OpenOffice.org) 。7/5

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厳密な工程表


WSB-7651


WinPAD-384


MPE-103


空港で使われているプラズマ表示


組み込み用機器
組み込み用機器

Wincomm(IPCの会社)の取材

 今回はWincommというIPCの会社に行きました。IPCはIndustrial PCという意味で、工業用の小型のメインボード類を指すことが多いです。IPCの場合には、組み込み用の用途によっては3.5インチドライブサイズの小さなメインボードさえあります。

 それなら、もっとPC/ATの組み立てなどで活用されてもよいのではないか、という読者もいるかもしれません。しかし、そう簡単にはいかないのです。まず、小型化するには、6層以上のPCBが必要です。通常のメインボードで使用するPCBは4層ですから、コスト高になります。また、工業用PCの場合には、湿度が高い、埃がある、などといった環境下で使用されることもあります。また、当然、長期間使用することも考慮しなくてはなりません。

 そこで、どこのIPCメーカでもそうなのですが、通常のメインボード以上の細かな製品検査を行うことになっています。そのような要因によってコスト高になるのです。メインボード1枚が5万円以上といった場合もあり、通常のPC用途では少し高すぎると言えます。そのかわり、信頼性も高いのです。

 この高信頼性について、今回お話をうかがったWincommの副社長Andyさんも、「信頼性はWincommの命です。また、お客様の環境に応じてカスタマイズなどのサービスにも力を入れています」と話されていました。

●Wincomm社の製品ラインナップ

 まず、Wincommの製品などについての情報は同社のWebページを参照してください。

 http://www.wincomm.com.tw/

 Wincommの本社は、新竹の科学園区にありますが、今回取材したのは、台北オフィスです。Wincommの設立は、1993年でISO9001を取得しています。当初は通信系機器の製造を手がけ、現在はそれに加えてIPCも製造販売しています。また、最近はヨーロッパメーカのアジア地区代理店にもなっているそうです。

 WincommのIPCカタログを見ると、Socket7タイプ(Pentium用)のものやCrusoeプロセッサを使ったもののほか、Socket370タイプ(PentiumIII用)が見られます。AMDのAthlonタイプはありません。Socket370タイプでは、チップセットにIntel製チップセット815eを使ったもの以外に、VIAやAli製チップセットを使った製品もあります。

 従来、IPCというとIntelチップを採用したものが中心だったのですが、VIAやAliのチップセットを使った製品がIPCで使われるようになったことは、VIAやAliの信頼性が向上している印象を持ちました。

 さらに、Wincommの最新IPCであるPentium4+DDRメモリをサポートするWSB-7651は、SiS651+SiS961Aを採用しています。最近の小型Pentium4メインボードはSiS製が多いですが、IPCもSiSが採用されているのも新鮮な印象です。サイズは、13.3x4.8インチとPCIカードサイズです。6層基板を採用しているそうです。

 IPC以外では、WinPAD-384という。パネルPCがあります。TM5400-500MHz(Crusoe)を使ったPCで、キーボードを使わなくても画面がタッチパネルになっているのでコンパクトに使える、というものです。Andyさんの話では、車に取り付けてカーナビやTVとして使用し、取り外して通常のPCとして仕事に使うことを想定しているそうです。また、PCなので、病院で医者が携帯したり、セールスパーソンがいつも持ち歩きプレゼンテーションする場合にも便利、とのことでした。

●プラズマエンジンシステム

 また最近力を入れているもののひとつに、薄型のMPE-103というシステムがあります。これは、プラズマエンジンシステムと呼んでいる製品で、プラズマディスプレイの裏側にはめ込む形で使用します。実際には、空港で航空機の発着状況をディスプレイするのに使われているそうです。また、展示会や電車/バスの中で情報を発信するという使われ方も予定されています。

 そういえば、最近台北の新交通システムMRTに大型ディスプレイが取り付けられ、広告やイベント情報などを流している車両が現れました。これらももしかしたら、ディスプレイにPCが接続されているのかもしれません。

 また、自動販売機や駅などの端末で使用することなどの用途で、小型パームトップシステムGX1-300という、サイズ123x61x35mmのシステムもあります。これは、Geode GX-1(National Semiconductor製)の300MHzを搭載した小型システムです。CD-ROMドライブは搭載されていませんが、フロッピディスクドライブはあります。

 また、IPCは普通、パックプレーンと呼ばれるカードに取り付けて使用するのですが、WincommではもちろんそのバックプレーンやIPC用ケースなども販売しています。

 通信関係では、WinDECTシステムという、デジタルコードレス通信電話などをリリースしています。

終わりに

 IPCは、工業用というため、工場で使われるような印象もありますが、自動販売機や駅などにある情報発信端末などでも利用されています。ジュリアスが面白いと思ったのは、OSにWindowsNT/2000が使われている端末を多く見かけることです。値段のこともあるからLinuxが多いのかと思っていました。

 しかし、この点はあくまでも印象なので取材を続けていきたいと思います。


NTのブルー画面

 IPC業界は、台湾コンピュータ産業の重要な一分野であり、今後も取材を続けていきます。

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