第6章 2現象オシロスコープの操作方法

 ここでは2現象オシロスコープとしての操作方法を説明してますが、2現象と言っても基本的な操作は前章と変わりありません。前章と重複する部分については簡略に説明しています。

電源をONする前に予め基本ポジションにセット

 電源スイッチを[ON]する前に、あらかじめノブやスイッチを前章と同じにセットしておきます。ただし、VERTICAL MODEスイッチだけは2現象表示の[ALT]にします。

2つの信号を同時に観測する

■CH1とCH2に信号を入力する

 CH1には既に信号「1 kHz」が入力されていますが、CH2 INPUT へ別の信号発生器からCH1と同程度の電圧でCH1の半分の周波数の信号「500 Hz」を入力します。

 CH2 VOLTS/DIVスイッチ、CH2 VARIABLEノブなどの操作はCH1と同じようにすればOKです。

■波形の振幅と表示位置を調節する

 一般的に二つの波形が重なるので、それぞれのVERTICAL POSITIONノブやVARIABLEノブを調節して、二つの波形が見やすいように位置を上下(例えば、CH1の波形を上側、CH2の波形を下側にしておくと後で区別がつきやすい)に移動したり、振幅を加減します。

[AUTO]と[NORM]を切り替えてみる

 TRIGGERING MODEスイッチが[AUTO]にセットしてあれば無信号時でも輝線が見え、信号が入るとトリガ掃引し波形を表示します。

 同期がとりにくい場合には[NORM]に切り替えTRIGGERING LEVELノブを回して安定に波形が見えるように調節します。
なお[AUTO]の時に同期がはずれてしまうと多くの波形が右(または左)のほうへ動いているように見えます。また[NORM]の時に同期がはずれると輝線も消えスクリーンには何も表示されません。

 TRIGGERING MODEスイッチが[FIX]の位置では、入力信号があるとトリガ・レベルを自動的に設定して波形を表示します。

[VERT MODE]/[CH1]/[CH2]を切り替えてみる

 TRIGGERING SOURCEスイッチが[VERT MODE]にセットしてあれば、それぞれのチャンネルから取り込んだトリガ信号で掃引して、二つの信号とも安定に同期がかかり、トリガ信号を選択するわずらわしさがありません。

スロープの+と−を切り替えてみる

 TRIGGERING SLOPスイッチは、通常は [+] に設定されていて波形の始まり部分が立ち上がりの所では同期がとれ、立ち下がりの所では同期がとれません。立ち下がりの所で同期をとるためには、TRIGGERING SLOPスイッチを押して[−]に切り替えます。

入力信号を切り替えて表示波形を確かめてみる

 VERTICAL MODEスイッチを[CH1]→[ CH2 ]→[ALT]→[CHOP] →[ ADD]と切り替えると、各々、スクリーンに表示されるCH1とCH2の波形の組み合わせが変わります。


Copyright 2000 田中 新治

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