第1章 新世代バス規格とIEEE1394(2)

新世代バスの分類(2)


新世代バスの分類(2)

ATA

 ハードディスクのインターフェースとして,IDE(ATA)も使われています.ATAはPC/AT用のハードディスクインターフェースを規格化したものです.IDEと呼ぶ場合もあります.ただし,現在ではIDEを拡張したE-IDEが主流になっています.

 E-IDEになってハードディスクの容量拡大や,CD-ROMへの対応がなされました.E-IDEもSCSIと同じように拡張され,Fast ATAやFast ATA-2,Fast ATA-3などがあります.IDEは接続できるハードディスクがSCSIに比べて少なく,基本的にはマスターとスレーブの2台のみです.そして,E-IDEになってプライマリとセカンダリというようにIDEコネクタを2本用意できるので,4台まで接続できるようになりました.

 現在では,Fast ATAより高速なUltra ATAが現れています.ATAはSCSIより遅いといわれ続けてきましたが,Ultra ATAでは33Mバイト/秒と十分高速になり,速度差はほとんどなくなりつつあります.

 IDEやATAもSCSIと同様に呼び名を使い分けます.両方が1対1で対応しているわけではありません.また,ソフトウェアから見た場合,ATAPIという呼び方も使われます.ATAPIもCD-ROMのようなデバイスを接続するために拡張され,バージョンによって細かな違いがあります.

(イラスト1)

現状のパーソナルコンピュータ環境

 

 

(イラスト2)

将来のパーソナルコンピュータ環境

 

 

シリアルバス

 なぜ,シリアルバスがパラレルバスより高速になるのか,不思議に思う人もいるでしょう.事実,SCSIなどはバス幅を広げることによって高速化を行ってきた部分もあります.しかし,ある程度高速になってくると,各信号線が干渉を起こします.つまり,32ビットのパラレル信号を使うと高速化するたびに各信号間でノイズを拾う可能性が高くなります.

 そこに現れたのがシリアルバスです.シリアルなら信号線が少ないので干渉の可能性は低くなります.

 もちろん,パラレルインターフェースのほうも,低電圧化や差動インターフェースを利用して相互干渉を抑え,頭打ちになると見られていた転送速度が改善されています.したがって,一気にシリアルインターフェースに移行するということではありません.

SSA(Serial Storage Architecture)

 SSAは,IBMが大型コンピュータ用のHDDインターフェースをもとに規格化した,入力と出力でそれぞれ200Mbpsの転送が行えるストレージ用バスです.耐障害性や幅広い帯域を得るためにネットワークの構造は二重のポートで双方向通信が可能となっています.


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