第1章 新世代バス規格とIEEE1394(3)

新世代バスの分類(3)


新世代バスの分類(3)

Fibre Channel

 LANやWANといったネットワークからコンピュータと周辺機器のデータ転送まで,スケーラブルな高速データ転送を狙った規格です.133Mbps〜1Gbps,またはそれ以上の転送速度が実現できます.また,光ケーブルを使うことでノード間を最大10kmまで延長することも可能です.

 SCSI,ATA,Fibre Channel,SSAなどは,ディスク装置などのコンピュータの補助記憶装置に着目したインターフェースです.また,USBはキーボードやマウス,RS-232-Cといった比較的低速なPC周辺機器の接続を目的として規格化されました.

 しかし,IEEE1394はそれらを包含した特徴をもっています.したがって,IEEE1394は,コンピュータとコンシューマにまたがるインターフェースとして期待されています.表2に,新世代シリアルバスの規格をまとめます.

(表2)新世代シリアルバス規格
名 称  推進団体  ノード間距離  転送速度
IEEE1394  IEEE 1394 Trade Association  4.5m  100M,200M,400Mbps…
Fibre Channel  Fibre Channel Association  光ファイバ:最大10km 同軸ケーブル:最大25m  133M,266M,531Mbps1G,2G,4Gbps
SSA  SSA Industry Association  20m  200Mbps

USBとIEEE1394に共通した特徴

 USBやIEEE1394に共通した特徴をあげると,以下のようになります(表3).

(表3)IEEE1394とUSBの比較
  IEEE1394-1995/1394.a/1394.b  USB 1.x/USB 2.0
転送速度  100M, 200M, 400Mbps/1.6G, 3.2Gbps 12Mbps/480Mbps
接続可能ノード数 
63  63
ノード間距離 
4.5m/70m, 100m(UTP, POF, GOF)  5m
アイソクロナス転送  サポート  サポート
信号線数  6本(電源:2,信号:4)/4本(電源なし)  4本(電源:2,信号:2)
符号方式  DS-Link/8B10B  NRZI

1) 信号線が少ない(細くて柔らかいケーブル)

2) ケーブルが細い

3) コネクタが小さい

4) IDやターミネータの設定が不要

5) 電源を切ることなく接続や切り離しが可能(活線挿抜)

6) アイソクロナス転送

USBとIEEE1394の棲み分け

 USBはおもにPCで使われることを予想しています.それに比較してIEEE1394はコンピュータだけにとどまらず家電製品への応用も期待されています(図2).また,その性能の違いから,コンピュータの中でもUSBとIEEE1394は棲み分けがうまく進むことが予想されます(図3).

(図2)

応用分野から見た棲み分け

 

 

(図3)

性能から見た棲み分け

 

 

 しかし,インテル社のチップセットでIEEE1394のサポートが延期され,さらにUSB2のアナウンスによって様相に変化が生じています.


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