第1章

コンピュータ機器の入出力が変わる!
製品開発はアイデア次第

センサで電子機器の用途が広がる!

宮崎 仁

 「LSIの集積度は18か月ごとに倍増する」というのはムーアの法則として有名です.実際,マイクロプロセッサやメモリなどのLSI製品の移り変わりを見ていると,まさにその法則のとおり,次々に高性能を誇る高速,大容量の新製品が登場しています.それとともに,最新のハイエンド製品以外では低価格化も進んでいます.

 一方,それに比べるとあまり目立ちませんが,その他のICや部品においても高性能化や低価格化は着実に進んでいます.今回の特集の主役であるセンサも例外ではありません.

 センサの高性能化により,従来ではできなかったような高精度の測定や,悪条件下での測定が可能になってきました.また,センサの低価格化により,従来はコスト的に利用が難しかった部分にもどんどんセンサが使われるようになってきました.とくに,温度などの動作状態の管理や自動制御,機器の自己診断などが普及することによって,機器の高性能化やメンテナンスフリー化にセンサが大きく貢献しています.

 たとえば,PC用プリンタを見ても,用紙の位置検出や用紙切れ検出用のセンサが使われていますし,インクジェットプリンタならインク流量や残量測定用センサ,印字ヘッドの傾き修正用センサなどが使われるようになっています.レーザビームプリンタなら感光ドラム温度監視用センサや表面電位検出用のセンサなど,多種多様なセンサが使われるようになりました.それらによって,プリンタの位置決め精度や印字品質,印字速度などが大幅に向上するとともに,メンテナンスも容易になっています.(筆者)


 

◆ センサで広がる新しい電子機器の世界

◆ 人間の感覚器官とセンサ

◆ A-Dコンバータ

◆ システム全体の高性能化


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