新入社員の頃や設計を始めた当初は,先輩の仕事を少しずつ手伝いながら徐々に担当回路を任され,次にプロジェクトを任されるという段階を追ってエンジニアは成長していきます.その間,LSIのエンジニアであれば,Verilog-HDLやVHDLなどのHDLのコーディングについて学んで行くことになるでしょう. しかし,HDLを書けるようになるということは,設計ができるということとは少し違います.HDLを書けるというのは,昔でいえば回路図が書けるというのと同じで,入力作業にすぎません.すなわち,特定のベンダーのGUI,CUIツールの操作ができるようになっただけなのです(図1).
設計の本質は,アーキテクチャを決め,アルゴリズムを考え,仕様に落としこんで,ビヘイビアモデルを作成し,検証〜完成するまでの過程そのものです(図2).今,自分はシステム設計全体のフローの中で,何ができていて何ができていないのか? 本特集は,それを振り返る良い機会になればと思います.
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