これがオリジナル仕様
コンピュータシステムだ!

 ということで,最終的にまとまったオリジナル仕様コンピュータシステムの外観を写真3に,ブロック図を図1に,各仕様を表1に示します.

〔写真3〕オリジナル仕様コンピュータシステムの外観
(液晶ディスプレイやキーボード,HDD,マイクロATX筐体は市販のものを流用.BMPローダでBMPファイルを表示したところ

最大240MHz駆動のホストCPU SH-4

 ホストCPUは,最大64ビットのバス幅に対応しているSH-4 SH7750SまたはR(日立製作所)を採用しています.RバージョンはそれまでのSH-4と比較し,キャッシュ容量が倍になり,またキャッシュアルゴリズムも強化されているので,同じクロック数のSバージョンなどよりパフォーマンスの向上が期待できます.

 SH7750Sでは最大200MHzクロック動作,SH7750Rでは最大240MHzクロック動作に対応していますが,RバージョンのSH-4は,まだ潤沢に入手できる状態ではないようで,筆者のところでも,200MHz品のSH7750Rを,サンプルとして2個,なんとか入手できただけです.本誌が発売される頃には240MHz品が入手しやすくなるでしょうか.

 本特集では入手しやすいSH7750Sを,外部バスクロック66MHzで動作させています.

最大256バイトのメインメモリSDRAM

 メインメモリとしてはPC133対応のSDRAMを搭載したSO-DIMMソケットを実装しています.64Mバイトから最大256Mバイトまでの容量を搭載可能です.ただし外部バスクロックが,SH-4がRバージョンでも最大120MHzなので,PC133を使う場合でも133MHz駆動はできません.この場合は120MHz駆動となります.

 本特集では外部バスクロックを66MHzで動作させているのでPC66対応を,また容量として64Mまたは128MバイトのSO-DIMMの使用を想定した設計を解説します.

SH-4ブート用フラッシュメモリ

 SH-4の各種初期化プログラムやOSのローダなど,IPLを格納するROMとして容量2Mバイトのフラッシュメモリを搭載しています.

ホストコントローラFPGA SpartanII

 本システムの要ともなるホストコントローラは,456ピンBGAのFPGA Spartan II(ザイリンクス)を採用しています.これにより,SH-4ローカルバス,メインメモリ,ブート用フラッシュROM,そしてPCIバスを制御します.SDRAMコントローラをホストコントローラ内に内蔵するので,PCIバスマスタからのメインメモリへのアクセスにも対応しています.

〔図1〕オリジナル仕様コンピュータシステムのブロック図

〔表1〕オリジナル仕様コンピュータシステムの仕様
項 目 最大/最高仕様 本特集で解説している仕様
ホストCPU SH7750S/R:CPUコアクロック最大240MHz/外部バスクロック最大120MHz コアクロック200MHz/バスクロック66MHz
メインメモリ PC133仕様(120MHz駆動)/64M〜最大256MバイトSO-DIMM対応 PC66仕様/64Mバイトまたは128Mバイト
PCIバス バス幅32ビット/クロック最大66MHz
独自拡張PCIベクタ割り込み対応
バス幅32ビット/クロック33MHz
グラフィックス VAG/SVGA/XGA解像度/32ビットフルカラー対応
60Hzまたは75Hzリフレッシュレート対応
シュリンク15ピン/アナログRGBコネクタ実装
球面スクロール/V-Sync割り込み/フェイドコントロール機能
BitBlt(矩形転送)/2Dアクセラレーション機能
VGA/32ビットフルカラー/60Hzリフレッシュレート
シュリンク15ピン/アナログRGBコネクタ実装
キーボード PS/2キーボード(日本語/英語)対応
マウス PS/2マウス(ホイール&5ボタン)対応
ストレージ 最大ATA66対応バスマスタATAインターフェース PIOモード4対応ATAインターフェース
PCカード/CFカード
インターフェース
活線挿抜対応PCカード/CFカードインターフェース
I/O系カード対応
サウンド 32k/44.1k/48kHz対応/光ディジタルオーディオ入出力(PCM)
ネットワーク
インターフェース
市販PCI拡張ボードを使用
USB&IEEE1394 市販PCI拡張ボードを使用
その他 バックアップ機能付きリアルタイムクロック&8KバイトRAM
リモート/タイマ起動対応システムコントローラ搭載
キーボードパワーON対応

システムバスはPCI

以降の内容は本誌を参照ください

インデックス
 ◆コトの始まり…
 ◆CPUの選定から仕様決定まで
 ◆これがオリジナル仕様 コンピュータシステムだ!

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Copyright 2003 井倉将実