連載 第10回 World Wide WebシステムとHTTP
今回は,インターネットの爆発的発展の原動力ともなり,インターネットのアプリケーションの中でも,最もよく使われているWWWシステムのしくみについて解説します. World Wide Web システム WWWシステムは,もともとヨーロッバのCERNという物理学の研究所が,情報を研究者に公開するために,作ったシステムです.HTMLという言語によって研究データを記述して,HTTPという非常にシンプルなプロトコルによって,インターネットの中を伝送します. “Web”という英単語を調べてみると,「クモの巣,織物」といった訳が出てきます.つまり,“World Wide Web”とは「世界規模に張りめぐらされたクモの巣」ということになります.この言葉は,世界中にインターネットというクモの糸が張りめぐらされていて,そこを情報が行き来するようすを表していると考えられます. WWWシステムの全体像を図1に示します.WWWシステムは,サーバとクライアントモデルに従っています.TCP/IPネットワーク上に,WWWサーバが常に待機していますので,WWWクライアントは,WWWサーバにアクセスして,サーバにある情報を引き出したり,情報を更新したりします.このときWWWクライアントとサーバの間で情報のやり取りを行いますが,これにはHTTPというプロトコルが用いられます. 〔図1〕WWWシステムの全体像