ルートサーバ
 cqpub.co.jpというドメインには,cqpub.co.jpの中のホスト名とサブドメインを管理するDNSサーバがあります.これと同様に,co.jpというドメインには,*.co.jpというサブドメインを管理するDNSサーバがあります.
 さらに,jpというドメインには,*.jpというサブドメインを管理するDNSサーバがあります.では,* というドメインつまりトップレベルドメインを管理するDNSサーバはあるのでしょうか?
 実は,トップレベルドメインを管理するルートサーバというDNSサーバがあります.ルートサーバには,jp,net,comといったドメインを管理するDNSサーバのIPアドレスがNSレコードによって記述されています.
 ルートサーバのルートは,日本語では「根」となります.つまりDNSサーバは,図7のようにルートサーバを根として,NSレコードでつながった木構造をしています.
〔図7〕DNSサーバ同士のつながり

〔図7〕DNSサーバ同士のつながり

●とても重要なルートサーバ
 ルートサーバは,インターネットにとってとても重要なサーバです.もしルートサーバが機能しなくなると,トップレベルドメインを管理するDNSサーバのIPアドレスがわからなくなるため,すべてのドメイン名の情報へのアクセスができなくなってしまいます.
 そこで,ルートサーバは13台用意されていて,世界中に分散配置されています.ルートサーバの負荷の状態によっては,これからルートサーバはさらに増やされていくでしょう.ルートサーバに関する最新の情報は,次のURLから取得することができます.
  ftp://ftp.rs.internic.net/domain/named.root

 DNSクライアントとDNSサーバの動作
 図8は,DNSクライアントがドメイン名からIPアドレスに変換する様子です.DNSクライアントは,必ず自分にもっとも近いDNSサーバAのIPアドレスを前もって知っています.
 このDNSサーバのIPアドレスは,オペレーティングシステムのTCP/IPの設定や,ダイヤルアップ接続の場合は,接続先から自動的に指定されます.通常は接続先のプロバイダのDNSサーバや,LANのDNSサーバが指定されます.
 DNSクライアントは,DNSサーバAに変換要求を送ります.DNSサーバAは,要求されたドメイン名のIPアドレスを知っていれば,その情報を回答します.
 もし知らなかった場合は,ドメイン名の広い範囲から順番に問い合わせを行います.まず,DNSサーバAはルートサーバに「jpのDNSサーバは?」という要求を送ります.ルートサーバからjpのDNSサーバのIPアドレスが回答されると,次にcoのDNSサーバのIPアドレス,cqpubのDNSサーバのIPアドレスを次々と問い合わせていきます.
 www.cqpub.co.jpのIPアドレスをcqpub.co.jpのDNSサーバに問い合わせをして,www.cqpub.co.jpのIPアドレスが判明します.最終的に,DNSサーバAは,変換結果をDNSクライアントに返答し,変換作業を終了します.


〔図8〕DNSサーバの連係によってドメイン名をIPアドレスに変換する条件

〔図8〕DNSサーバの連係によってドメイン名をIPアドレスに変換する条件



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