試してみよう
 UNIX系のオペレーティングシステムやWindows2000/ NTには,nslookupというコマンドが付属しています.
 nslookupコマンドは,オペレーティングシステムのリゾルバソフトウェアを経由してDNSサーバにアクセスします.DNSサーバの動作を確認するためによく使われるコマンドです.

● nslookup
 nslookupコマンドの動作の様子を図9に示しました.第一引数にIPアドレスに変換したいドメイン名を指定して,実行します.
 図9は,FreeBSD-4.2に付属するnslookupコマンドを用いて,www.cqpub.co.jpをIPアドレスに変換した様子です.もっとも近いDNSサーバには,プロバイダzeroのDNSサーバを用いました.ns.zero.ad.jpが,ns.cqpub.co.jpというDNSサーバに問い合わせを行って,202.33.154.16というIPアドレスを得たことを表しています.
●業界用語?
 DNSサーバにアクセスして,情報を得ることを,「DNSを引く」と言います.
 例えば,ネットワークの調子が悪いとき,
  • DNSがきちんと引けてる?
  • DNSサーバは動いているんだけど,
    DNSが引けない
などと言います.この「引く」は,「辞書を引く」と同じ「引く」です.DNSサーバはまるで辞書のようにホスト名とIPアドレスを大量に記憶しているため,「DNSを引く」と呼ばれるようになったのではないでしょうか.このほか,次のような表現もよく使います.
  • ホスト名からIPアドレスに変換するとき
    →正引き(せいびき),順引き(じゅんびき)
  • IPアドレスからホスト名に変換するとき(今回は解説していません)
    → 逆引き(ぎゃくびき)

〔図9〕nslookupコマンドの動作の例

〔図9〕nslookupコマンドの動作の例


 ● DNSの要点
 今回は,ドメイン名とDNSのしくみについて解説しました.
  • ドメイン名はドメイン部とホスト部からなる
  • ドメイン名は階層構造があって,世界中で同じ名前が2つ以上できないようになっている
  • ドメインの中のドメインをサブドメインという
  • 1つのドメインに対応した1つのDNSサーバがある
  • DNSサーバとDNSクライアントの通信には通信の効率からUDPを用いる
  • DNSサーバはAレコードによってドメイン名とIPアドレスの対応関係を覚えている
  • DNSサーバ同士はNSレコードによってつながっている
  • DNSサーバの根幹であるルートサーバがトップレベルドメインを管理するDNSサーバを管理している
  • DNSクライアントからの問い合わせに対して,DNSサーバはドメイン名の階層構造に従ってルートサーバから目標のDNSサーバに到達する

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 次回は,インターネットの最も有名なアプリケーションの1つである電子メールのしくみについて解説する予定です.


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