ST-MGXm
MediaGXmは,CPU内にサウンドやグラフィックスも搭載するというたいへんお買い得なCPUです.そのため,メインボード全体は,Windowsを動作させることができますが,CPU自体はPentiumと互換性はありません.しかし,CPU込みの値段が19,000円くらいなので格安マシンを作ることができるというメリットがあったわけです.
しかし,WinChipのC6などが5,000円くらいで入手できる今となっては,SiS530搭載メインボード+C6の組み合わせとの価格差がわずかになってきます.今回のメインボードST-MGXmはチップセットにCX5530を搭載した最新型で,テレビ出力もありクロックも266MHzで,もちろんMMXに対応しています.コードネームはマジックモンキー(孫悟空)です(図11).CPUとチップセット1個で何でもできる,というのはよいのですが,その割にはPCB上の部品点数が多いような気がします.もう少し部品点数を減らすようにすれば,超格安マシンが完成するでしょう.
設定は楽で,CPUの種類設定だけですが,CPU付きで購入してあるのですでに設定も終わっていて何もすることがありませんでした.ただし,ドライバのインストールには多少こつが必要です.このメインボードを使うときには,インストール時にドライバの所在を尋ねられたら,ドライバのインストールプログラムが作成したフォルダを指定してください.
結果は,MediaGXの性能が良いことを示しています.十分実用レベルです.しかし,ドライバの関係か,DirectDrawの数値が低くなっています.もう少し,チューニングすれば何とかなるでしょう.スクロールも数値としては小さいですが,ワープロで文書を書くには問題のない程度です.コントロールパネルのキーボードのプロパティで十分加速できます.
このようなメインボードは,できるだけ低価格にマシンを構築できるのがメリットなので,以前使っていたハードディスクの再利用などをするとよいでしょう.とにかく,演算速度はPentium
U 400MHzの3分の1という結果なのですから.筆者もMediaGX
180MHz搭載のマシンを使っていますが,インターネットやメール,原稿執筆などに全く問題のないクオリティです.最近のチップセットはグラフィックスを搭載したり,近くサウンドもチップセット内に搭載したものがリリースされてきます.このようなメインボードと一騎打ちして勝つことができるのか,このあたりが難しいところです.
WinChip対MediaGXの戦いで勝利者はどちらなのか,次回はそのあたりも実験してみたいと思っています.孫悟空がんばれ.