メインボードテスト4番勝負
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● はじめに
ここでのテストには,グラフィックを搭載していないメインボードについては,グラフィックカードとして,GIGABYTE製GA-630という3Dfx製Banshee搭載カードを使います.テストプログラムとして,今回はHDBENCHとFinal
Realityを採用しました.ただし,グラフィックがオンボードでない場合には,Final
Realityは使いません.
なお,今回はソケット370 Celeronは66MHz x5.5で366MHzと,スロット1
Pentium Uは100MHz x4で400MHz動作です.また,メモリはPC100タイプを64Mバイトで実験しました.
ところで,この手のテストについて,一言説明しておきます.実はこの種のテストの結果は使用する周辺機器などの状態にかなり依存します.従って,ここでの結果をすべてをうのみにすることはできません.あくまでも参考値です.しかし,また,価格との対比もしなくてはなりません.次回からいろいろな製品をテストしていきますが,そういった点も考慮して,組み立てやすさ,ドライバなどの作り,インストールなども総合して判断したいと思います.
初心者には,親切な日本語マニュアルが付いているほうがよいでしょうし,パワーユーザーには,設定を容易に交換できるように,ジャンパを使わないような配慮も必要でしょう.
Shuttle製HOT-679
Shuttleには,ソケット370のメインボードもあるのですが,筆者の好きなメインボードはHOT-679です.i740がオンボードで搭載されておりBXチップセットですし,スロット1の方向がほかの一般的なメインボードと異なって,バックパネルに対して垂直になっているところがよいです.[More]
Microstar製MS6163
Creativeのサウンドも搭載した標準的なBXメインボードです.BIOSメニューに<<<CPU
PLUG & PLAY>>>というメニューを搭載し,CPU設定をBIOSで行う仕様で,きめの細かなクロック設定に好感がもてます.なお,ボード上に小型スピーカを搭載しているため,ケースにスピーカが搭載されていなくてもよい仕様になっています.[More]
DFI製CB-60BX
CB-60BXは,ピュアなソケット370メインボードで,サウンドもグラフィックもメインボード上には搭載されていません.しかし,ISAも3本と拡張性も高い仕様です.設定にディップスイッチを使うので,設定は簡単です.また,フロントパネル用コネクタが水平に取り付けられるので,ケーブルを取り付けた際にほかの配線の邪魔になりません.
少しわかりにくいのは,マニュアルがマルチ言語仕様(日本語はありません)で,少し読みづらかったのと,ジャンパの1ピンの位置がわかりにくかったことです.しかし,簡単設定ステッカともいうべきものが付いているので,マニュアルを紛失しても安心です.[More]
最後はMediaGXm搭載のメインボードです.MediaGXmは,CPU内にサウンドやグラフィックスも搭載するというたいへんお買い得なCPUです.そのため,メインボード全体は,Windowsを動作させることができますが,CPU自体はPentiumと互換性はありません.しかし,CPU込みの値段が19,000円くらいなので格安マシンを作ることができるというメリットがあったわけです.[More]
● 結論
メインボードを購入するにあたっては,フォームファクタ(外形)を決定しなければなりません.MicroATXメインボードも増えてきているので,どうやらそろそろMicroATXを購入してもよいでしょう.ところで,もう一つ重要なことは,メインボードの機能についてです.最近は,サウンドやグラフィックスがオンボードのメインボードが増えてきています.それも,MicroATXであれば,元来拡張性を前提としていないのでそれもよいですが,ATXなら,今回のDFIの製品に見るようにピュアな製品も魅力的です.また,個人的には,サウンドを搭載してくれるほうが安心です.サウンドが付いていてもほとんど価格の上昇は見られません.
さらに,格安のサウンドカードはISAタイプですが,オンボードサウンドにはPCIタイプのものもあります.つまりDOSモードのゲームに対する互換性はISAタイプのほうが上です.PCIタイプでもSB-LINK端子がメインボード上にあるなら,互換性の維持が可能ですが,そのことより,PCIタイプにすることでIRQの占有数が減る可能性があることをを知っておいてください.このことのほうが,いろいろと拡張する筆者には重要です.ASUSのメインボードのマニュアルにその種の記載があります.
個人的には,速いマシンがよい,というよりは安定したマシンがよいと考えています.従って,ベンチマークがすべてを語るとは限りません.ある意味で,遊ぶならピュアなタイプが,早さを追求するならPentium
Uタ イプを,そして,確実簡単に組み立てて,組み立てそのものも,実用性をねらうならオールインワンタイプをおすすめします.
さて,今回の結果として印象的なのは,Bansheeの威力です.GIGABYTE製GA-630は確かに色もきれいで高速です.しかし,このカードは,メインボードが一枚買える値段です.その意味でi740搭載で価格を抑えつつ,性能も維持するというHOT-679は非常に好感を持てます.AGPスロットを搭載していないので,後でAGPカードを取り付けることはできませんが,Bansheeはメインメモリにテクスチャをはらない仕様ですから,PCIタイプのカードでも十分です.
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