- ルーティングテーブルの使われ方
- 図7を見ながら,実際にどのようにして出力するインターフェースと中継を依頼するアドレスを決定するのかを見てみましょう.
ここでは,コンピュータDのアドレス10.0.0.6と通信することにしましょう.まず,ルーティングテーブルで,最終的な送り先アドレスが10.0.0.6である行を探します.すると,中継依頼先アドレスが10.0.0.2であることがわかります.
では,アドレス10.0.0.2に送るには,どのインターフェースに送ればよいのでしょうか? もう一度,ルーティングテーブルを見て,最終的な送り先アドレスが10.0.0.2である行を探します.すると,中継依頼先アドレスが10.0.0.1であることがわかります.アドレス10.0.0.1は,自分のインターフェースのアドレスですので,これで出力するべきインターフェースが10.0.0.1であることがわかります.最終的に,TCP/IPソフトは,この番号を持ったインターフェースに出力を依頼します.
<コラム- 練習問題>
コンピュータBにおけるルーティングテーブルを、図7のような形式で作ってみましょう。そして、作ったテーブルを参照して、アドレス10.0.0.11にデータを送りたいときには、ア、イ、ウのうちどのアドレスのインターフェースに出力すればよいか、実際に表を引いてみましょう。
[解答]
アドレス10.0.0.11へのルーティングテーブルと出力インターフェース

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- 今回のまとめ
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- TCP/IPソフトとそれに対応したドライバを搭載するだけで,インターネットのすべてのコンピュータと通信できる.
- 隣のコンピュータまでのルーティング情報さえあれば,インターネットのすべてのコンピュータと通信できる.
「〜だけ」,「〜さえ」といった部分が非常に重要です.これからも,このような限定的な表現がでてくることがありますが,この部分が「インターネットのミソ」であることが非常に多いので,注目してみてください.
次回は,実際にコンピュータを複数台接続して,ルーティングの実験を行う予定です.
船 田 悟 史(ふなだ・さとし)
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