ブラウン管の電子銃から飛び出した電子ビームを、その前方にある二組の偏向板に加える電圧を加減し、垂直方向や水平方向に進路を曲げ(偏向して)蛍光面に衝突させます。 基本的な動作オシロスコープでは、波形を描かせるためにリサジュー図形の描画を応用しています。水平方向に時間の経過に正比例して変化する電圧を、垂直方向には観測する信号の電圧をそれぞれ同時に加えることにより、信号電圧の時間的な変化を波形として観測することができる仕組みになっています。 同期方式ただ単に垂直方向と水平方向へ信号を加えただけでは、スクリーンの波形を安定した静止状態で観測することはできません。 両方の信号の周期のタイミングを合わす、つまり同期をとる必要があり、同期掃引方式とトリガ掃引方式の2種類があります。 ■同期掃引方式掃引用のノコギリ波を発生させ、スクリーンの波形を見ながらその周波数を手動で調節し、波形が静止して見えるように同期をとる方式です。 ■トリガ掃引方式観測信号が無い時にはノコギリ波は発生しません。信号があるとノコギリ波が自動的に発生しスクリーンに波形を描くわけで、手動で波形を静止させる必要がありません。 トリガ掃引方式オシロスコープの回路構成ブロック・ダイヤグラムによりブロック毎の動作を簡単に説明しています。 2現象オシロスコープの回路構成2現象表示用のブラウン管は電子銃一つ、つまり1ビームのブラウン管をベースに、電子回路で二つの信号を交互に切り替えてスクリーンにそれぞれの波形を同時に表示できるようにしたものです。 ■2信号の切替方式1ビームのオシロスコープで二つの信号を電子回路で切り替える方式にはALT方式とCHOP方式の二つがあります。可聴帯域の上限位(約20 kHz)まではCHOP方式で、それ以上の周波数の場合はALT方式が使われています。 ■ALT(オルタ)方式とはALTとは英語でalternateの意味「交互の、かわるがわる」で、1回掃引する毎に信号Aと信号Bを交互にブラウン管に表示します。 ■CHOP(チョップ)方式とはCHOPとは文字どおり空手チョップのchopの意味「切る、切り刻む」で、二つの信号を150 kHz位の高周波信号で切り刻み、ある瞬間は信号Aを次の瞬間は信号Bをというように両方の信号を細切れ状態にしてスクリーンに同時に表示します。 Copyright 2000 田中 新治 |
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