HAM RADIO JOURNAL

伝送線路と低歪アンプを極める!!
トロイダル・コアと10W級リニアアンプの研究

JJ1GRK 高木 誠利  

  

近年、リグの自作=QRPという図式ができつつあります。QRPが静かなブームとなっているというのが、その大きな理由だと思いますが、もうひとつ、1Wを超える回路についての情報が少ないこともあり、これが原因となって図らずもQRPになっている例も多少あるように感じられます。100W超の製作事例は散見されますが、10Wのためにリニアアンプ並みの回路を投入するのもためらわれるところで、1〜50W(10W級)は自作の谷間になっているのではないでしょうか?  

さて、このクラスのアンプを製作する上で欠かせないのが広帯域トランスです。この広帯域トランスの教科書としては「トロイダル・コア活用百科」があり、事実上この本が唯一の10W級アンプの製作情報源となっています。筆者も穴があくまで読ませていただきました。  今回の”研究”の主目的はこの教科書の内容を検証/追補することで、確実に10W級リニアアンプを設計製作できるようにすることです。1Wが10WになるとSが3つほど上がります。当たり前と言えば当たり前ですが、100Wを1kWにするのと同様の効果がはるかに簡単に得られます。QRPもFBですが、技術的事情からQRPになっているのであれば、ちょっと頑張ってみるのも楽しいのでしょうか。


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