ぼくのおなかの中にはベイビーが…
「なにしてんの?みんな」 と,質問したところ,その子の母親,つまりわたしの姉が 「あの子のお父さんが死にそうやねん.そやから,慌ててるんよ.どうする?アンタのおとうちゃんが死んでしもたら?」 と質問し返しました. う〜ん,この後の甥っ子の反応は絶妙だった.
まず,「そんなんイヤやぁ」とごろごろ転げまわった後,再度の姉の「とうちゃん死んだらどうする?」の質問に,彼はこう答えた. 「おかあちゃんがおるからいい」 この答えには義理兄もショックを受けていた.かたや,その答えに気を良くした姉はニコニコ笑いながら 「じゃ,おかあちゃん死んだらどうする?」 と訊く.すると 「おねえちゃんがおるからいい」 はっはっは.おもろいほどに残酷ですね,こどもって. 姉は懲りずに質問を続けてました. 「じゃぁ,お姉ちゃんが死んだら?」 「ぼくのおなかのなかに赤ちゃんがいるからだいじょうぶ!」 この答えを聞いて,一同わけがわからず爆笑しました.義理兄は「あいつの頭ん中,どないなってんねん.」と言ってましたが,いやはや,こどもの頭ん中は,大きなゆがんだ宇宙でも入ってんでしょうね. わたしもこどものころは,雲の上に自分の家を建てるのが夢だった.しかし,小学校の理科の時間にその夢は木っ端微塵にされました. 「おとなになると人は夢を抱かなくなるのではない.ただ夢までの距離がわかってしまうだけだ」 というようなこと聞いたことがあります.たしかに目的達成までの道筋がわかるようになると,自分の能力とくらべて,夢をあきらめてしまうかもしれませんが,やっぱり,こどものときのような自由な,むちゃくちゃな発想ってのは知恵がつくとでき難いもんだろうな,とも思います. |
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