びゃーりんがる・くらぶ 〜とっさのひと言〜

金田一春彦氏が「日本語の方言と標準語の違いは,ヨーロッパのイタリア語とフランス語の違いよりも大きい.つまり,方言しゃべれて,標準語しゃべれるだけでバイリンガルってこと」と,いうような意味のことをおっしゃってました.えっ,アタシ広島弁と(カタコトだけど)標準語しゃべれる!! 

てなことで,あなたも広島弁を覚えて「びゃ〜りんがる(バイリンガル)」になろう!!


注:わたしのことばは「広島弁」というよりも「備後弁」です.ですから,いわゆる広島市でしゃべられていることばとは若干異なることがあります.
 ステップ1:お好み焼き屋にて  「えっと」
 <<実践編>>  

広島と言えば「お好み焼き」.これでしょう.

例えば,あなたが出張で広島へ行く.すると,自然の成り行きで「お好み村」,あるいは「よっちゃん」あたりに繰り出すでしょう.もちろん,広島風お好み焼きを食べに.

「さて,何にしようかな,やっぱり「モチ入り」が最高だな」

なんてウキウキしながら注文する.すると,目の前の鉄板に薄〜く生地がひかれ,その上にキャベツ,モヤシ,モチ,豚肉などがどんどん積み上げられていく.

そうこうするうちに,仕上げにねぎをかける段階で,お好み焼き屋のおっちゃん(あるいはおばちゃん)が,

「ねぎはどんくらいかける?」

と聞いてくる.さぁ,ここがポイント.ここであなたがひと言,

「おじちゃん,
っとかけて,っと」 「え」にアクセント

と言えば,あなたはもう広島人.

 <<応用編>>  

さて,この「えっと」とはどういう意味でしょうか?

標準語では
「たくさん」とか「とても」といったところです.これは物理的な量だけを表すことばではなく,例えば,

えっと探したけど,見つからんかった」
すごく探したのに見つからなかった」(標)

というように,“Very”とか“Well”とかの意味でも使われます.単に物理的な量で「たくさん」を表すのであれば,
「えっと」のほかに,

「よ〜けい」「ぎょうさん」

といったことばもあります.

 <<宿題>>  

次の広島弁を標準語に直しなさい.

1)「えっとまっとったのに,だれもこんかった」

2)「ご飯,えっと入れんといて.うち,そんなによ〜けいこと食べれん」