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Windows対応RISCシステム開発パッケージ

CQ RISC評価キット/PowerPC403



こちらの商品は品切れ絶版となりました.

PowerPC版の概要

 写真1にプロトタイプCPUボードの外観を,図1にボード構成,表1に仕様を示す(ボードはプロトタイプのため,製品と若干異なる場合がある).すでに発売しているCqREEK/SH-1およびV821と大きく異なる部分はその製品コンセプトである.
 ある意味でSH-1およびV821というCPUは,感覚的にZ80や8086,68000といったこれまでよく使われてきたCISCとあまり違いはない.CISCからRISCに移行するのにちょうどよく,RISCの入門的にふさわしい,小さくて小回りのきくシンプルなRISC CPUである.その特性を生かすためにも,CPUボードはROMとRAMしか実装しないシンプルなものを用意した.
 しかし今回採用したPowerPCは,そのCPUの処理性能がどれくらいのものであるかを確かめるには,それなりの周辺機能を用意しなくては評価にならないであろう.そこでシリアル/パラレルはもちろんEthernetやHDD接続のためのインターフェースを装備した.またCPUの処理能力を有効に管理するためにはOSが不可欠であろう.そのための大容量のメモリの搭載や,プログラムのアップデートも可能なフラッシュROMなどを採用している.

基盤表    基盤裏
基板表             基板裏

[写真1] CQ RISC評価キット/PowerPC403 のCPUボード外観

ボード構成
[図1] CQ RISC評価キット/PowerPC403 のCPUボード構成

機能ブロック仕様備考
PowerPC 403GAクロック周波数33MHz 
メモリ(ROM)フラッシュROM 512KバイトBIOS ROM用256Kバイト/ユーザ用256Kバイト
メモリ(RAM)DRAM 4Mバイトアクセス速度70ns,さらに4Mまで増設可能
Ethernet10Base-T 
シリアル・ポート16550互換 3ポート 
パラレル・ポートセントロニクス互換 
リアルタイム・クロックRTC-4543年月日,時分秒
IDE HDDポートありBIOS ROMでは未対応
プログラマブルI/OポートプログラマブルI/O 15本ispLSI2064搭載
CQ RISC評価キット/PowerPC仕様

PowerPC403GA搭載

 搭載CPUは動作クロック33MHzのPowerPC403GAである.内蔵周辺機能はシリアルを1チャネル,そしてDMAコントローラを四つ内蔵している.さらにDRAMコントローラも内蔵しているのでDRAMもCPUに直結できる.
 データ・バスはD0〜D31の32ビット,アドレス・バスはA6〜A29の26ビットとなっている.PowerPCは基本的にビッグエンディアンなので,D31がLSB,D0がMSBとなる.同様にアドレス・バスもA29がLSB側でA6がMSB側となる.アドレス・バスのLSB,つまりバイト・アドレスを示すA31と,ハーフワード・アドレスを示すA30に相当するピンもあるが,PowerPCはデータ・バス幅が32ビットなので,一般的にはワード・アドレス(4バイト境界)を示すA29までがアドレス・バスとして使われる.

PowerPC403GA
PowerPC403GA

Ethernet搭載

 CqREEK/SH-1およびV821ではRS-232-Cによるシリアル接続でプログラムをダウンロードしていた.しかし現実的にはこれでは転送スピードが遅く,デバッグ中に巨大なプログラムを何度もダウンロードすることは,デバッグの効率を落としかねない.
 しかもSH-1は命令語長16ビット,V821は16ビット長を基本としたRISCであるが,全命令語長が32ビットのPowerPCでは,同じステップ数のプログラムでも必然的にプログラムのコード・サイズが大きくなる.
 本ボードではEthernetを標準装備し,Ehternet経由でユーザのプログラムをダウンロードする.よって開発環境には10Base-TのEthernetが必須となる.現在では10Base-Tのカードなら実売で1万円以下で買えるようになってきているので,なんとか用意してEhternetカードを装備してほしい.

10Base-T
10Base-Tコネクタ

フラッシュROM搭載

 512KバイトのフラッシュROMには,BIOSプログラムが128Kバイト程度書き込まれ,さらに128Kバイトが今後のための予約領域となっている.よってユーザ用に解放された領域は残りの256Kバイトとなる.
 このフラッシュROMは64Kバイトごとのバンクに分かれており,ユーザに解放された256Kバイトの4バンクは,それぞれプログラムやデータを入れたり,全体を一つにして大きなプログラムを格納するなど使い方は自由だ.

4MバイトDRAM

 大容量のプログラムを実行できるように,メイン・メモリにはアクセス速度70nsのDRAMを4Mバイトをプリント基板の表面に実装した.またプリント基板上では,さらに4Mバイト実装できるようにパターンは用意されている.

スーパI/O搭載

 PC/ATと同じシリアルやパラレルを構成できるスーパI/O PC87334 を搭載し,CPU内蔵のシリアル以外にさらにCOM1,COM2のシリアルを2チャネル,セントロニクス準拠のパラレル・ポート LPT0 が使える.またIDE HDDのコントローラも内蔵しているので,ボード上にはHDD接続のためのコネクタも実装している.ただしBIOS ROMにはHDDのためのプログラムがないので,標準のままではHDDは接続できない.オプションとしてHDDに対応したBIOSを用意することなどを予定している.

PLD搭載

 Ethernet制御信号やリアルタイム・クロックとのインターフェースのために,ispLSI2064を搭載.さらにプログラマブルなパラレルI/Oとして15本をユーザに解放している.PLDの書き換えのためのコネクタをボード上に用意しているので,ispLSIをボードに実装したままプログラムを書き換えることが可能となっている.ispLSIのプログラムキットを用意すれば,独自のポートとして活用可能となっている.

PLD ispLSI2064
PLD ispLSI2064

CPUボード

 写真を見るとわかるように,ほとんど隙間なく部品が実装されている.ボード・サイズは140mm×90mmと,CqREEK/SH-1やV821より若干小さい.それにも関わらずこれだけの機能を実現しているのは,6層基板を採用しているからである.
 電源は5V単一で,消費電流は約460mAとなっている.ちなみにPowerPC403GAの電源電圧は3.3V動作なので,ボード上に3端子レギュレータを実装している.CPUの電源は3.3Vであっても,アドレス/データ・バスなどの各種入出力ピンは,5V入力に対応しているので,TTLレベルも直接接続可能だ.

部品番号名称部品型名
部品番号名称部品型名
U13CPUPowerPC403GA
U1EthernetコントローラDP83902
U4PLDispLSI2064
U14フラッシュROMMBM29F040A-12
U17DRAMM5M41860BTP-7S
U18スーパI/OPC87334
U19増設DRAM(未実装)M5M41860BTP-7S
(a)部品配置と部品型名

コネクタ番号用途ピン数
J1シリアル0(COM0)Dsub 9ピン(DTE仕様)
J2プログラマブルI/Oピンヘッダ 34ピン
J3RTC用電源ピンヘッダ 2ピン
J4Ethernet 10Base-TコネクタRJ-45C(モジュラ 8ピン)
J5/6/7CPUローカル・バスピンヘッダ 40ピン×3
J8IDE HDDコネクタピンヘッダ 40ピン
J9ispLSI2064 プログラム用ピンヘッダ 8ピン
J10電源ピンヘッダ 4ピン
J11CPU JTAGポートピンヘッダ 16ピン
J12シリアル/パラレル(COM1/2,LPT0)ピンヘッダ 34ピン
J13リセット・スイッチピンヘッダ 2ピン
(b)コネクタ配置と用途
CPU ボードの部品,コネクタ配置

CqREEK/PPC403
主な部品とコネクタの配置
(ボード・サイズは90mm×140mm,CqREEK/SH-1やV821より小さい!)

各種コネクタピン配置

J2 プログラマブルI/Oコネクタ
ピン番号信号名ピン番号信号名ピン番号信号名ピン番号信号名
1VCC2VCC21I/O 5822I/O 59
3TP34Y123I/O 6024I/O 61
5Y26NC25I/O 6226I/O 63
7SDI8MODE27I/O 1528I/O 14
9SDO10SCLK29I/O 1330I/O 12
11NC12GOE031TP232TP1
13GOE114NC33GND34GND
15NC16I/O 53    
17I/O 5518I/O 54    
19I/O 5620I/O 57    

J5 PPC403GAローカルバス・コネクタ(1)
番号信号名番号信号名番号信号名番号信号名
1D312D2821-EOT022-EOT3
3D254D2223INT024INT3
5D196D1625SYSCLK26-LRESET
7D138D1027HOLDACK28-BUSERROR
9D710D429Vcc30Vcc
11D112Vcc31A2932A26
13-OE14-CS033A2334A20
15-CS316-LRAS135A1736A14
17-DMAR018-DMAR337A1138A8
19-DMAA020-DMAA339A3140-WBE0

J6 PPC403GAローカルバスコネクタ(2)
番号信号名番号信号名番号信号名番号信号名
1D292D2621-EOT222GND
3D234D2023INT224-CINT
5D176D1425SERCLK26HOLDREQ
7D118D827ERROR28GND
9D510D229GND30GND
11NC12GND31A2732A24
13GND14-CS233A2134A18
15-LRAS216GND35A1536A12
17-DMAR218GND37A938A6
19-DMAA220GND39-WBE140GND

J7 PPC403GAローカルバスコネクタ(3)
番号信号名番号信号名番号信号名番号信号名
1D302D2721-EOT122Vcc
3D244D2123INT124INT4
5D186D1525TIMERCLK26EXT_READY
7D128D927BUSREQ28Vcc
9D610D329Vcc30Vcc
11D012Vcc31A2832A25
13-R/W14-CS133A2234A19
15-LRAS316-LRAS035A1636A13
17-DMAR118Vcc37A1038A7
19-DMAA120Vcc39A3040Vcc
(J5,J6,J7のDxxとAxxはPowerPC標記の番号を使用しています)

J11 JTAGポートコネクタ
ピン番号信号名ピン番号信号名
1TDO2NC
3TDI4NC
5NC6+POWER
7TCK8NC
9TMS10NC
11-HALT12NC
13NC14Key
15NC16GND


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