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Interface編集部ブログ

キラリと光るエンジニア人生の歩み方(1) 社会人としての大切な四つの考え方

仕事を取り組みにあたって必要な考え方や,楽しいエンジニア生活を送るために身に付けておきたい資質などについて解説します.きめられたことをこなす「作業者」になるか,問題を解決できる「技術者」になるかは,皆さん自身の行動にかかってます.

舘 伸幸

 

この春就職される皆さん,おめでとうございます.あるいはもう2年3年と経験を積んでいる方の中には,日々のルーチンワークに忙殺されている方も多いのではないかと思います.

縁あって入ったこの世界で働いていくことについて,ちょっと考えてみませんか.

最初に,みなさんは技術の仕事に就「職」したのであって就社したのではないという認識を持っていただきたいと思います(図1).エンジニアという職に就いたからには,そのスキルを発揮し続けるからこそ,職場での存在価値があるのです.「与えられた仕事をうまくこなすように頑張ります」などと発言しているひとはいませんか?

図1 我こそは天下無敵のエンジニア!

「与えられた」は受け身の言葉です.「こなす」は単に処理したり終わらせたりするという言葉です.仕事って会社に行けば自然に存在しているもので,それを終わらせることが目的なのでしょうか.仮にそうであったとして,それはあなたにとって楽しい技術者生活でしょうか?

今の職種を目指して就職した方も,「いや,実は就社だったかも」という方も,きっかけは何であれ,せっかく技術職という特異な仕事に就くことができているのです.ぜひ技術の仕事でプロとして長く,楽しく,活躍していきましょう.

社会人としての大切な四つの考え方

エンジニアにとって技術力は重要です.しかしそれ以前にまず,社会人として自律できていることが大切です.そのために必要な四つの考え方を以下に示します.

1.受け身からの脱却

図2は一般的な就学パターンです.多くのひとが年の長きにわたり,先生がしゃべってノートを取るという受け身の姿勢をたたきこまれています(1).このような環境で育ったひとが口にしやすいのが

  • 習ってないのでできません
  • やったことないのでわかりません

といった言葉です.

図2 一般的な就学パターン

仕事とは何でしょうか.いろいろな意見があると思いますが,一つの考え方は「問題を解決すること」です.例えば資金が足りないという問題に対して銀行という仕事があります.病気という問題に対して医療という仕事があります.

技術の仕事も同じです.まずは,「こんなことができるようにしたい」といった,かなえたい夢があるかもしれません.その夢を実現させるには,たとえば, 電池を長持ちさせる,より薄く軽くする,より高速に動作させる,など,数々の問題を解決しなければなりません.それには技術の力によって,「世の中にな かったものやしくみを作りだすこと」が必要です.

世の中にない以上は,習ってない,やったことがないのはあたりまえです.それらを,前に進めない理由にするのは,単に自分ができないことを言い訳しているにすぎません.社会ではこのような言い訳は通用しないと肝に銘じてください.

できない言い訳を挙げるは,とても簡単です.ツールがないのでできません,誰それが協力してくれないのでできません,仕様が不明確でできません,....そ うではなく,「やるためにはどうしたらよいのか」を考えることが大切です.方法が分かれば,環境が整えば,後はやるだけです.やるための方策を考える人が 「技術者」,決められたことをやるだけの人が「作業者」です.さて,あなたはどちらのひとになりたいでしょうか.



(1)高専や院に進学された方は年数が異なる.また,優れた師と出会うという幸運に恵まれた方はこの限りではないだろう.

 

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