読み終わったメールは,DELEコマンド(DELE 8)を使って郵便受けから削除できます.削除したメールは,LISTコマンドの一覧からも削除されていることがわかります.  通常,メールソフトは,POP3サーバからRETRコマンドを使ってメールを取り出すと,DELEコマンドを使い,取り出し終わったメールを削除します.図7は,メールクライアントの設定の例ですが,「サーバにメッセージのコピーを置く」を選択すると,メールを取り出した後にDELEコマンドを実行しないようにし,郵便受けにメールが残るようになります.  郵便受けへのアクセスが終了したらQUITコマンドを送り,サーバにアクセスを終了したいことを通知します.すると,サーバ側から終了のメッセージが送られてきた後,TCPの接続が切られます.  プロバイダによっては,インターネットからPOP3サーバに接続することを許可しているところもあります.  例えば,図8のようにプロバイダA社のPOP3サーバにアクセスすることを考えてみましょう.通常はプロバイダA社にダイヤルアップやADSLなどで接続していて,その回線を使ってPOP3サーバなどにアクセスします.  しかし,インターネットからPOP3サーバへの接続を許可している場合は,プロバイダB社に接続後,インターネット接続を介してA社のPOP3サーバにアクセスすることができ,したがってメールを取り出すことが可能となります.

〔図7〕メールソフトの設定画面の例

図7

〔図8〕インターネット経由での郵便受けサーバへのアクセス

図8


Windows 2000の「telnet設定」
 Windows 98(SE)では,MS-DOSプロンプトをクリックして開いた窓や「ファイル名を指定して実行」で,telnetとタイプして実行すると,設定用のツールバー付きのtelnetのウインドウ(クライアント)が起動しますので,ターミナルメニュの基本設定をクリックして,表示された中で「ローカルエコー」をONに,漢字コードセットで「JIS漢字」などを選択できます.
 ところが,Windows 2000では,Windows 98のようなツールバーがその窓に付いていません.そこで,Windows 2000の場合は,以下の手順で設定します.
@ コマンドプロンプトでtelnetと入力
  もしくは「ファイル名を指定して実行」でtelnetと入力
A「Microsoft Telnet>」と表示されたところで,
B「display」と入力すると,現在の設定値が表示される
C「set ?」と入力すると設定項目の一覧が表示される
D「set codeset JIS Kanji」と入力する
E「set local_echo」と入力する
F「set crlf」と入力する
G「display」と入力すると現在の設定値を確認する

まとめ
 今回は郵便受けからメールを取り出すPOP3のしくみを解説しました.
POP3は通信路として信頼性のあるTCPを用いる
POP3サーバソフトウェアは,ウェルノウンポート番号として110番ポートを用いる
POP3はテキストベースのプロトコルである

次回は,テキストしか送受信できないメールシステムで画像ファイルや音声ファイルなどのバイナリデータをやりとりできるようにするMIMEのしくみについて解説する予定です.

 


 CQ出版 TOP OPENDESIGN TOPOPENDESIGN Online目次に戻る
   
Copyright CQ Publishing Co.,Ltd. 1997-2001