POP3によるメール取り出しのようす

 実際のPOP3サーバにアクセスしたようすに従って,POP3によるメールの取り出しの流れを見ていきます.今回の実験環境は,前回のSMTPと同じものです.図4のように,メールを取り出す郵便受けのあるPOP3サーバであるpop.asahi-net.or.jpから,メールの受け取り主である ui4s-fnd@asahi-net.or.jpあてのメールを取り出します.
 では,Telnetクライアントソフトウェアを使ってPOP3サーバに接続してみましょう.図5のように,プロバイダから指定されたPOP3サーバのホスト名を指定して接続します.ポート番号は,POP3のウェルノウンポート番号*1である110番を指定します.
 うまく接続できると,図6の1行目のようにPOP3サーバからメッセージが返ってきます.
 まず,USERコマンドとPASSコマンドを使って,ユーザー認証を行います.パスワードは,プロバイダから指定されたものをそのまま送ります.サーバによってはパスワードが確認されれば,STAT,LIST,RETR,DELEなどメールを操作するコマンドを使える状態となります.
 STATコマンドを送ると,この例では,8つのメールが郵便受けにあって,合計で31865バイトであることがサーバから送られてきています.8つのメールのそれぞれのサイズは,LISTコマンドで確認できます.
 RETRコマンドで,8番目のメールを表示させてみました.メールは,norenore@m16.alpha-net.ne.jpから送られてきたメールであることがわかります.メールのヘッダの意味は,前回の連載を参照してください.前回の解説になかったものですと,X-で始まるヘッダ行です.特にX-Mailerは,このメールを作成したメールソフト名を表しています.この行を見ると,相手がどのようなメールソフトを使っているか,確認できます.

〔図4〕今回の実験環境


図4


〔図5〕POP3サーバと接続する


図5><br>

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〔図6〕POP3サーバとの通信のようす


図6

ウェルノウンポート番号*1
 あるサーバソフトウェアが,あるポート番号でクライアントソフトウェアからの通信を待つときに,インターネット全体で共通して使うことになっているポート番号.アプリケーションごとに,ポート番号が決められている.
例えば,HTTPサーバソフトウェアは,80番ポートでクライアントからの通信を待つ(ことになっている).このとき,HTTPサーバのウェルノウンポート番号は,“80番ポート”であると言う.クライアントは,インターネット上のHTTPサーバと通信するときは,通信したいホストの80番ポートと通信を行えば,HTTPサーバと通信できる.



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