(図8) Windows98のDOSプロンプトでroute printしたルーティングテーブル

(図8)Windows98のDOSプロンプトでroute printしたルーティングテーブル


(図9) ルーティングテーブルから想像できるプロバイダとユーザーの接続関係

(図9)ルーティングテーブルから想像できるプロバイダとユーザーの接続関係


 ホストルーティング
 また,ホストルーティングとは,ネットマスクの値が255.255.255.255のネットワークIPアドレスを登録してIPルーティングを行うことを言います
.  ネットマスクが255.255.255.255のときは,そのサブネットに含まれるIPアドレスは,「ネットワークアドレスそのもの」の1つしかありません.
 UNIXの世界では,1台のコンピュータのことを「ホスト」といいます.このため,1つのコンピュータのためにルーティングすることをホストルーティングと呼ばれます.
 前回までのルーティングは,すべてホストルーティングとして表現することができます.

 デフォルトルート
 これまでは,あるIPアドレスの塊に対してサブネットを考えて,そのサブネットに対して送るには,どのIPアドレスに送ればよいかを考えてきました.
 それでは,インターネット全体というサブネットはどのようにすれば表現できるでしょうか.答えは,「ネットワークアドレス 0.0.0.0 ネットマスク 0.0.0.0」です.
 ネットマスクが0.0.0.0ですから,どのようなIPアドレスとネットワークアドレスの計算を行っても0.0.0.0になります(図7).ですから,0.0.0.0というIPアドレスとは常に一致しますので,「0.0.0.0/0.0.0.0」というネットワークアドレスとなります.
 この「0.0.0.0/0.0.0.0」というサブネット,つまりインターネット全体に送るために,どのIPアドレスに送ったらよいかという情報がデフォルトルートです.
 パケットの中継を行わないコンピュータのルーティングテーブルは,一般にはデフォルトルートしかありません.
 図8に示したのは,PPPを使ってプロバイダに接続しているWindows98コンピュータのルーティングテーブルの例です.
 図8の中で,0.0.0.0/0.0.0.0という行がありますが,これがデフォルトルートです.プロバイダに接続している場合は,プロバイダとユーザーをつなぐコンピュータのIPアドレスが,中継依頼先のIPアドレスとして指定されます.
 図8では,210.229.77.146というIPアドレスがデフォルトの中継依頼先として指定されています.このコンピュータは,図9のようなネットワークにつながっていると想像することができます.

● 次回の予定
 次回は,LANを構築するためによく使われるイーサネットとインターネットの関係について解説の予定です.


<コラム> 練習問題

 本稿のはじめにある図1のネットワークの中のコンピュータBのルーティングテーブルを、サブネットを使って作ってみましょう。
●答え
   最終送り先アドレス
10.0.0.2/255.255.255.255
10.0.0.4/255.255.255.255
10.1.0.1/255.255.255.255
10.1.1.0/255.255.255.0
10.0.1.0/255.255.255.0
中継依頼先アドレス
10.0.0.1
10.0.0.3
10.1.0.2
10.1.0.1
10.1.0.1


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