パソコンを複数台接続することをLAN構築するなどと呼んでいることがあり,LANを組むことは身近なものとなります.そこには,必ずHUBとTCP/IPが関係しています.その原理を知ることは,ネットワークを理解する早道でもあり,LANに携わる者にとっても大事な仕組みです.
- バス接続型のインターフェース
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これまでコンピュータ同士をつなぐ方法として,RS-232Cを使用したSLIPを使ってきました.RS-232Cでは,2台のコンピュータ同士をつなぐことしかできません.6台のコンピュータをつなぐためには,図1(a)のように接続しなくてはなりません.
同図のコンピュータBには,2台のコンピュータが接続されていますが,これを10台に増やしたいとしましょう.10台のコンピュータとつなぐには,10本のRS-232Cが必要となり,図1(b)のようにタコ足配線になってしまいます.
もし,SLIPだけを使って大規模なLANを構築しようとすると,それぞれのコンピュータには,非常に多数のRS-232Cのインターフェースが必要となり,また部屋はRS-232Cのケーブルだらけになってしまいます.
そこで,1本のケーブルを多くのコンピュータで共有しようというアイデアが考え出されました.図2のように,すべてのコンピュータを1本のケーブルに接続します.ただし,1本のケーブルを共有してコンピュータ同士が通信をしなくてはなりませんので,ハードウェア的にもソフトウェア的にも特殊な仕組みが必要になります.
このような接続形態を,「バス接続」や「マルチドロップ接続」といいます.バス接続である通信ハードウェアとして有名なものは,制御で使われるRS-485,コンピュータで使われるイーサネット(Ethernet)があります.
〔図1〕多くのコンピュータでLANを構築する

〔図2〕バス接続型のネットワーク

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