6/7

Computex Taipei 報告(3)

ホイットニ関連追加など

 先に,BIOSを2種搭載できるメインボードとして,ギガバイト社のBX2000を除くと,インテル製810(ホイットニ)BIOSのSafeBIOSやEPoX社の新メインボードがあることを紹介しました.まず,SafeBIOSについては,マイクロスター社とASUSTeK社が搭載を表明しています.ただし,初期出荷製品にその機能が搭載されるかどうかは不明です.
 この点について,インテル社のデモボードを作成しているDFI社に確認したところ,「もちろんその機能はインテルBIOSの機能なので,当社の製品にも搭載される予定です.しかし,BIOSのバグをとることが先なのと,インテル社のデモボードを作っている関係上,インテル社のOKがでないと発表できないのがつらいです.」との回答でした.
 また,EPoX社のBIOSチップを2個搭載したメインボードはライセンスの関係上,いつの間にかひとつチップが取り外されていました.法律上の問題をどうクリアするかが今後の問題です.

グラフィックスカードとグラフィックスを搭載したメインボード

 今回,TNT2 Ultraの話題が多くなっていますが,マイクロスター社やギガバイト社など従来我が国ではメインボードが中心として知られていたメーカーも,強力にグラフィックスカードを日本市場に売り込もうという印象を受けました.両社とも,製品を入手できる予定なので,すぐにテストに入りたいと考えます.
 もうひとつは,グラフィックスカードがマーケティングの問題になってきていることを強く感じました.たとえば,リードテック社は以前にPermedia3カードを完成していましたが(L300),OpenGL性能ではTNT2に勝っているけれど,Direct3D性能がTNT2くらいで,価格はTNT2より高いということで,リリースに踏み切るかどうか思案のしどころという態度です.その意味では,さきに紹介した,先の性能表中でTNTレベルのSiS300が価格的に魅力があるようです.ということは,次世代のSiSチップセット630についてもかなり期待できることになります.
 ただ,今までのJulius Iwamura Hardware Pageで行った実験結果でもTNTクラスになると,ビジネスでは必要以上のパフォーマンスが得られているわけですから,コストをセーブできるホイットニやSiS630ががんばってくれると本当にありがたいです.
 しかし,6月上旬に台湾でリリースされていたASUSTeK社の810メインボードMEWの価格は,電脳街で配布しているパンフレットでは「現価」となっており,尋ねてみたところ2万円を遙かに超えていたので,これは初物ならではであるにせよ,もう少し安くなって欲しいものです.
● Voodoo3
 さて,次に,Voodoo3についての話題に移りましょう.
 3Dfx社は,他社のチップセットに対抗するため,ビデオボードの独占製造を中止し,グラフィックスカードメーカーにチップの配布を始めました.そこで,リードテック社やASUSTeK社などからもVoodoo3カードがリリースされる可能性が出てきました.すでにASUSTeK社はカードを出荷しており,秋葉原でも販売がスタートしています.ASUSTeK社のスタッフの話では,グラフィックスカード単体での販売はせず,メインボードとセットで販売する可能性が高い,とのことでした.
 ところで,今回興味深かったのは,メインボード上にVoodoo3を搭載したメインボードを複数のブースで見つけたことです.もちろん,Voodoo3の性能にも関心がありますが,ソケット370とスロット1を同時に搭載するジェミニタイプが増えてきたり,BIOSを2個搭載したり,そして,今回紹介したような,グラフィックスチップを搭載したりなど,このような特徴を付けなくては,これからの競争に勝てないほどメインボードのマーケットは大変なのだということを感じました.今回の,取材でも,紹介して欲しくない,もし,紹介すると,今ある在庫を処分できくなるから,というメーカーもありました.

デュアルソケット370メインボード

 さて,それ以外では,ABIT社のデュアルソケット370メインボードが興味深いです.

 ソケット370のデュアルなので,Windows NTユーザーにターゲットを向けているようでありながら,実際にはWindows2000を指向している点が評価できます.
 インテル社との関係で問題が発生しないかどうか尋ねましたが,問題はないとのことでした.

0605g025.jpg (18137 バイト)

戻る


Copyright 1999 岩村 益典