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P2B-F+Voodoo3

(1) P2B-F+Voodoo3-このページ
(2) HotRod66(ATA66)とディスクの交換
(3) 決定版Windows標準ツールのみでハードディスクを乗せ換える方法


 このページは,いくつかの実験を2日かけて実験したものの記録です. Julius Iwamura Hardware Pageでいろいろとハードディスクの実験やテストをするのはよいのですが,大きな欠点としてこのテストしたハードウェアをシステムとして利用することができないというものがあります.
 実際にジュリアスの使用している環境は,P2L97-S+PentiumII 300MHzやK6-2 200MHzといったシステムで,すべてシステムバスは66MHzで動作しています.今回は,たまたまASUSTeK製のP2B-F+Voodoo3のパッケージを2つ入手することができたので,そのうちの1つを実験に使用しつつ現行のシステムからハードディスクを交換し,新システムへと入れ替えることにしました.このハードディスクの入れ替えの際に,せっかくなので今回入手した7200回転のハードディスクキャッシュ2MBでATA66というIBM製DJNA-370910を取り付けてみようというわけです.

0810-314.jpg (50229 バイト) P2BF

 ほかの記事でも紹介しましたが,BXチップセット自身は7200回転のハードディスクの性能を十分に引き出せるようで,これはATA66ケーブルを使用すれば可能だということです.このあたりも,検証してみたいと思います.
 また,同時にABIT社のHotRod66というATA66アダプターカードを入手したので,これを新システムに利用することにしました.ただし,その際にはハードディスクの入れ替えを行うことになるので,せっかく載せかえる以上はそのまま環境を引き継ぎたいと考えたのです.
 現行のシステムは,TX97-XEにCPUとしてK6 200MHzを搭載し,アイ・オー・データ社の24倍速CD-ROMドライブを使った標準的なマシンです.しかし,特徴としてZIPドライブやスーパーディスクドライブを内蔵し,さらにはプリンタサーバーのIPアドレスが設定してあるため,便宜上そのままの環境を引き継ぎたいと考えたわけです.

 現状ではOSがWindows 95なので,Windows 98にアップデートした上で環境の載せ替えを行うことにしました.なお,TRY!PC10月号(9/18)が書店に並ぶころには,P3B-F+Voodoo3という製品もリリースされるという情報も入ってきました.しかし,今回はPentiumII 400MHzを使用するということと,オーバークロック実験ではないということで,新製品のP3B-Fよりは長く発売されているP2B-Fの安定性を重視し,こちらを採用することにしました.

0810-315.jpg (31421 バイト) Voodoo3 3000

実験の内容は次のようなものです.

・P2B-F+Voodoo3を入手したのでそのテスト
・7200回転のIBM ATA66ディスクを入手したのでそのテスト

  筆者の現行マシンを上記メインボードグラフィクスカードに変更しハードディスクについては,内容をそのままコピーして乗り換える.

P2B-F+ASUS Voodoo3 3000とテスト
 まずは現行マシンの状態ではWindows 95となっているので,Windows 98にアップデートします.Windows 98アップデートCD-ROMをセットし,とりあえず普通にこの状態でアップデートを行うことにします.
 P2B-Fは,P2B-Eのリリースが遅れたために急遽発売が決定されたものです.しかし,実際に出来上がった製品を見てみると,完成度が高く安定したものであるといえます.現在ではPCBのバージョンも新しくなり,細かな設定も可能でPentiumIIIにも対応しています.しかし,PentiumIIIを意識してか,最近に新モデルP3Bがリリースされました.P3BはJumperFreeというジャンパーを使用しない設計になっていますが,P2B-FのほうはジャンパーでCPU関連の設定を行うようになっているところが異なります.

 Voodoo3自体は当初チップメーカーが自社ブランドで発売するのみでしたが,それではシェアを獲得することができないということでチップを各社に配給したものです.Voodoo3オンボードのメインボードも増えてくるように思われますが,今回はカップリング製品です.標準的なVoodoo3で,特に変わったところはありませんが,テレビ出力がないためその分のチップが省かれています.ヒートシンクを採用し,ファンはついていません.このセット商品は,グラフィックスカード込みで3万円前半という価格です.

 最初はATA33の普通のハードディスクを取り付けてベンチマークをとりました.その後でHotRod66を使用し,ATA66ハードディスクへと交換したいと思います.
 大まかな作業の手順は,元からあるシステム(Caesar)のWindows 95をWindows 98にアップデートし,その後にハードディスクにフォルダーを作って,そこにWindows 98CD-ROMの内容をコピーします.これは,後でメインボードが交換された際に,IDEドライバの関係でセットアップ中にCD-ROMにアクセスできないということがあったときのために備えているわけです.
 次にハードディスクをCaesarの筐体から取り外し,P2B-Fに接続します.そして,P2B-Fに接続した状態でP2B-Fのドライバ類をインストールします.このときはまだ通常のATA33の状態です.この次に,HotRod66の登場となるのです. 

テスト環境
メインボード ASUS P3B-F
グラフィックスカード ASUS Boodoo3 3000
メモリ 64MB PC100仕様
ハードディスク クアタムFBST3.2GB ATA33

 

HDBENCH 26605
Fogcity2 Direct3D Normal Detail 32.19
OPENGL Voodoo3は具体的なゲームでのパッチを当てる
仕様であるためFogcity2では計測できず

HDBENCH

ALL Text Scroll DD Read Write Memory
      
26605         
32511 25795 76486 4173 59795 939 59 6762 6379 20990

 Voodoo3の特徴がよく出ているようで,PentiumII 400MHzの性能も引き出しています.今までのTNT2系のテスト結果と比べると,2Dスクロールが少し遅いという程度です.それでも,デスクパワーなど2年位前のマシンの10倍近い2D性能です.D3D性能は申し分なくよいです.ただし,OPENGLについては,初期設定状態では遅すぎるため計測不能でした.実際にQuakeなどをプレイしてみないとわからないようです.
 ジュリアス個人としては,TNT2系のほうが使いやすい感じがしていますが,Voodoo3のほうが発色がきれいなようです.ゲームをするならVoodoo系という定説は健在のようです.

コラム:トラブル発生
 さて,Voodoo3を取り付けて環境の載せ換えを行おうとしたところ,どうにもうまくいきません.何がうまくいかないのかというと,画面のプロパティで解像度を変更することができないのです.このエラーを解消するため,メインボードの不良,グラフィックスカードの不良などを疑い,いろいろと試してみましたがやはり直りません.ハードディスク内のデータの問題のようです.しかし,乗せ換えを行わなければTCP/IPの設定や辞書の学習内容などの細かでさまざまな設定が失われてしまうことを考えると,もう少しがんばりたくなってきました.
 そこで,レジストリエディタを起動し,HKEY_CURRENT_CONFIGのDisplay−SettingsでResolutionを"800.600"configに書きかえるという,本来ならばやりたくない技を使うことによって状況を回避することができました.
 なお,ここでは詳しく書きませんが,Resolution以外に他のマシンのレジストリにはない画面関連の項目も追加されていました.こちらは完全に削除しました.これで,やっと当初の目的どおりにP2B-F+Voodoo3での作業を続けることができるようになりました.
 いったいこの3時間はなんだったのか,と10年前なら思うところですが,毎日毎日テストばかりしているとまぁこんなものかなとあきらめざるを得ない状況です.

HotRod66へ続く

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Copyright 1999 岩村益典