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決定版Windows標準ツールのみでハードディスクを乗せ換える方法

(1) P2B-F+Voodoo3
(2) HotRod66(ATA66)とディスクの交換
(3) 決定版Windows標準ツールのみでハードディスクを乗せ換える方法-このページ

 新しいハードディスクを購入し取り付けた場合には,Windows(OS)も再インストールする必要があります.しかし,いろいろなアプリケーションをインストールしているとそれもすべて再インストールとなってとても不便です.
 そこで,旧ドライブから新ドライブへの乗り換えをやってみました.もちろん,B'sCrewなどの専用ソフトなら簡単です.また,シェアウェアのファイルバイザーなどのユーティリティを使っても便利です.
 エクスプローラを使用するとスワップファイルの共有違反で途中で止まってしまいます.しかし,次の方法でWindowsのエクスプローラを使って,ハードディスク環境の乗り換えができます.
 

 旧ドライブ HDD-A・・・Windows98
 新ドライブ HDD-B・・・買ったばかり
  とし,HDD-BにHDD-Aの内容をコピーして新しい起動ドライブにします.

 Windows98をインストールした際の起動ディスクを用意しておいてください.
  まず,プライマリのマスターにHDD-Bを接続します.

・Windows起動フロッピーディスクから起動します.
・コマンドプロンプトが表示されたら,起動ディスク1をドライブにセットし,fdiskと入力しエンターキーを押します.
・fdiskが起動したら,メニュー1で基本領域を設定します.

システムを終了します.

プライマリのマスター HDD-A
セカンダリのマスター HDD-B (ジュリアスは実行していませんが,プライマリースレーブでもOKでしょう:ただし,このときは,ドライブをスレーブ設定にして,コピー後にマスターに変更しなくてはなりません.)
に接続します.

     
 HDD-AにはWindows98が入っていますから,システムを起動するとWindows98が起動します.
 マイコンピュータをクリックして,Dドライブ(先にfdiskで領域設定したディスクHDD-B)を右クリックして,フォーマットを選択し,実行します.このとき,「システムファイルのコピー」のチェックをオンにして,システムファイルを転送するようにします(こうしておくと,後でFDDに起動ディスクを入れなくても起動できて便利です).

 エクスプローラを起動します
 表示−フォルダオプション−表示タブ で「すべてのファイルを表示する」をチェックします.
 Dドライブ(HDD-B)に「Windows」フォルダを作成します.
 Cドライブ(HDD-A)のWindowsフォルダを開きます
 Win386.swpをクリックします
 編集−選択の切り替えを選択します
 コピーアイコンをクリックします
 DドライブのWindowsフォルダを開き,クリックします
 貼り付けアイコンをクリックします
 Cドライブのルートを開きます
 Windowsフォルダをクリックします
 編集−選択の切り替えを選択します
 コピーアイコンをクリックします
 Dドライブのルートフォルダを開き,クリックします
 貼り付けアイコンをクリックします

 以上で,共有違反を生じることなく,スワップファイルWin386.swp以外をDドライブにコピーしたわけです.

 Aを取り外し,Bをプライマリのマスターに接続します.すると,Bからシステムが起動します.
 なお,このとき新しいドライブ(B)から起動できないはずです.そのドライブがアクティブに設定されていないことが考えられます.そこで,fdiskコマンドでアクティブに変更します.しかし,起動ディスク以外をアクティブにはできないので,fdiskはWindows98の起動ディスクからシステムを再起動し,DOSのコマンドプロンプトから実行する必要があります.このWindowsの起動ディスクというのは,Windowsのパッケージはいっていたものではなく,Windows98インストール時に作成したディスクのことです.
 
 Windows98起動ディスク1をドライブにセットしシステムを起動します
 進むとWindows98起動ディスク2への交換を求められるので交換します.
 DOSのコマンドプロンプトが表示されたらWindows98起動ディスク1に交換します.
 fdisk エンターを操作します.
 fdiskで2を選択し,新しくデーターをコピーしたドライブをアクティブにします.
 Windows98起動ディスクを取り外し,システムを起動します
 
 以上で,乗り換え終了です.こうやって書くと大変ですが,やってみると簡単です.
 
 とはいえ,B'sCrewなどのユーティリティがあれば簡単にできる作業ではあります.なお,B'sCrewはコピーだけではなく領域管理などもできる統合ツールです.
 
 もし,環境をそのまま引き継ぐことのできる専用ソフトウェアを使うとこの交換作業は簡単です.たとえば,B'sCrewはBHA社が開発したユーティリティで,詳細はwww.bha.co.jpから入手することができます.ハードディスクを丸ごとコピーしたり,ボリューム単位のコピーをしたり,FATサイズやクラスタサイズの変更ができるユーティリティです.
 ただし,環境によっては,認識できないディスクもあるそうなので注意が必要です.

● おわりに
 今回の教訓としては,やはり1つのマシンにすべての機能を組み込むというのはなかなか無理があるというということでした.すべての機能を組み込もうとしないのであれば,有力な機器としてUSBとPCカードが考えられます.PCカードに関しては,たとえばモデムやネットワークカードなどさまざまなデバイスがあるので,PCカードアダプタをひとつ搭載しておけば拡張性が広がります.
 ただし,PCカードアダプーといってもSCSI接続タイプやパラレル接続タイプ,USB接続タイプはフラッシュATAカードの読み書きしかできませんし,モデムやSCSIカードを付けることはできません.そのためには,ISAスロットに拡張カードをさしたものを使うことになります.その場合には,ISAスロットが搭載されていないといけませんから,そういう意味でのPCカードの扱いは難しいかもしれません.

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 しかし,台湾メーカーではすでにIDE接続のPCカード,ATAカードの読み書き,も作っているようで,もしこのPCカードからのシステムブートが可能ということになれば,IDEに接続したPCカードリーダーにPCMCIAハードディスクを取り付けることで,自由にOSなどを変更することのできる小型マシンが組めるのではないか,と感じています.

 また,もう一つの可能性はUSBで,今回の別の記事でUSBを取り上げていますが,USBを利用することでデーターの転送やサウンドを搭載していないマシンにサウンド機能を追加したり,PCカードの内容を読んだりとさまざまなことができるようになります.ある意味では,USBさえあれば後はいらない,という状況も作れるわけです.
 最後に,課題として,CD-ROMなどで音楽再生をしているときはIDEのハードディスクのアクセスは遅いのか?という問題については,もう少し深く検証していくつもりです.また,オンボードのIDEは空いているしHotRod66はSCSIとして認識されているので,もしかしたら,ZIPなどはオンボードIDEに接続したほうが良かったのかもしれません.このあたりも次回までの課題です.

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