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HotRod66(ATA66)とディスクの交換
(1) P2B-F+Voodoo3
(2) HotRod66(ATA66)とディスクの交換-このページ
(3) 決定版Windows標準ツールのみでハードディスクを乗せ換える方法
HotRod66というのは,ABIT社のATA66アダプターカードで,PCIバスに取り付けます.製品には,本体のほかに,ドライバCD-ROMやマニュアル,そしてATA66ケーブルが2本付いています.このATA66ケーブル2本だけでもお買得です.
現在,ATA66に対応していないメインボード(サウスブリッジ)でATA66を使用する最も簡単な方法は,HPT386
UltraDMA66 IDEコントローラーチップを使用することです.今回紹介した,ATA66対応BXメインボードABIT社BE6もこのチップをオンボードで搭載しています.
HotRod66を使うとATA66に対応していないメインボードもATA66対応になります.台湾メーカーの中には,ATA66対応にしてもチップやケーブルに対するコストを考慮し,ATA66に対応するのを控えているところがあります.確かに,ATA66を採用しても,転送レートが向上するだけですから,ハードディスク自体が遅いとどうしようもないわけです.しかし,最近IBM
DJNA-370910のように7200回転で2MBのキャッシュを搭載したドライブが登場すると,ATA66の転送速度が生きてくるはずです.
HotRod66の取り付けは非常に簡単で,メインボード上のBIOS設定を変更する必要もなく,そのまますんなりと取り付け作業は終わりました.Windows
98が起動すると,新しいハードウェアを見つけたと表示されるので,付属のフロッピーディスクをドライブにセットしインストールすればHotRod66のセットアップは終了です.
起動画面を見ると,マスターに元のディスクであるATA33ドライブが,スレーブにATA66ドライブが接続されていることになっています.複雑でないので助かりました.最初は,1つのケーブルにATA66とATA33のドライブを混在させることができるかどうかがかなり心配だったのですが,そのような心配もまったくなくインストールは簡単に終了しました.
さて,ハードディスクの載せ替えの時には,今回BHA社のB'sCrewをテストするつもりでした.しかし,B'sCrewの入手が間に合わなかったため,やむなく手動で行うことにしました.
HotRod66のATA66ケーブルのマスターに元となるQuantum社の現在使っているハードディスクを,スレーブにIBM
DJNA-370910を取り付けます.そして,フロッピーディスクからでもWindows
98のDOSモードでもかまいませんが,FDISKコマンドを使ってもうIBM社のハードディスクを初期化します.そのとき,基本領域として初期化します.
まず,FDISKで基本領域を設定します.そして,次にWindows 98を元のドライブ,つまりCドライブから起動し,先にFDISKで領域を開放したDドライブを「システムを転送する」というオプションをつけてフォーマットします.
フォーマットが終了したら,CドライブのすべてのファイルをDドライブに転送します.このときに,今回はFileVisorというソフトウェアを使ってハードディスクの内容をコピーしました.このファイル管理ツールは何かと便利ですが,Windowsのエクスプローラだけで乗り換え作業をする方法を別に紹介します..
筆者は,次にマスタードライブを取り外し,スレーブドライブであるIBMのドライブをCドライブとして起動しようとしましたが,起動しません.最初はシステムが入ってないからかと思っていたため,sysコマンドでシステムを転送しました.それでも,起動しません.どうしてだろうとしばらく考えて思いついたのは,「そうか,アクティブになっていないのか」ということでした.
じつは,アクティブな領域でないと起動ドライブにできないのですが,先にFDISKをかけたときにはDドライブで,別にCドライブがアクティブになっていたためにDドライブをアクティブ設定にできなかったわけです.
そこで,再びWindows 98の起動ディスクから起動し,FDISKを実行します.そこで,Cドライブをアクティブに変更します.それ以外のことをすると,ハードディスクの内容が消えてしまうので気をつけてください.
そして,FDISKを終了し再度起動します.ATA66のハードディスクを,ATA66用の80線40ピンケーブルで通常のBXチップセットメインボードに取り付けてもなんら問題なく正常に動作しました.もちろん,これは今回使用したハードディスクドライブがIBM製だったからよかったといえるのかもしれません.ずっと以前,1999年の初めにWesternDigital社の一番最初のバージョンのドライブを購入したときはファームウェアの書き換えが必要だったので,こう簡単にはいきませんでした.少し古い初期型のものであれば,今回のようにうまくいかない可能性も有ります.ご注意ください.すると,無事にWindows
98が起動しました.
起動した状態でまずやってほしいことは,デフラグを実行しディスクの内容を整理しておきたいということです.ハードディスクの乗せ替えソフトはこう行った手間をワンタッチで行えるようになっており,B'sCrewはそういう機能を持ったソフトウェアです.これがあれば10分ですむところを,アクティブにするなどのことを気づかなかったために3時間もかかってしまいました.
しかし,次からはやり方がわかったので,かなり簡単に行くのではないかと思っています.また,組み立てた後でのベンチマークは遅くなってはいますが,十分にもともと搭載していたミレニアムレベルに2D性能も上がっていますし,3D性能もVoodoo3ですから非常に使いやすいものになりました.
ハードディスクドライブには,IBM社製BJNAを採用しました.370918です.最後に,もともとネットワークカードの取り付けられていた環境でしたが,ネットワークを取り外した上で乗せ替えを行ったため,再度組み立てたときにネットワークドライバは入っていましたがTCP/IPのIPアドレスなどは再設定する必要がありました.
組み立ててみると,IRQ 12がサウンドカードに取られてしまってPS/2マウスが使えなかったため,BIOSの設定を変更しました.その後,組み立てたマシンのドライブ構成はやりすぎともいえるものになりました.
まず,HotRod66のプライマリのマスターがATA66ハードディスクでスレーブが24倍速CD-ROMドライブ,セカンダリのマスターがスーパーディスクドライブでスレーブがZIPドライブです.これに,SCSIカードとしてAdaptec社のAHA-2940AUを取り付け,640MBのMOドライブとPCカードリーダー,CD-Rをつなぎました.
●トラブル発生
この状態でマシンを組み上げ起動した際に起こった1つ目のトラブルは,SCSI機器の検索が遅いためタイムアウトになってSCSI機器を認識せずにシステムが起動してしまうことが何度かあったことです.この点については,SCSI
BIOSを調整し設定も少し変えることで処理することができました.
このあたりは,SCSI BIOSの設定は,ケースバイケースなので地道に設定していけばよいと思います.なお,マシン自体にドライブがたくさんあるために生じた出来事で,結局IDE機器を2つにしてSCSIをつけるということを考えてもいいのではないかと思います.
しかも,今回の構成ではHotRod66はSCSIカードとして認識されましたから,できるだけIRQなどを空けるための処理を施しました.まず,BIOSでオンボードのIDEとCOMポート2(IRQ
3を使う)を強制的に使用不能(Disabled)に変更し,この2つを空けました.また,面白かったのはPS/2マウスの検出を自動に設定しておくと,リソースの関係からかPS/2マウスが使えなくなるというエラーが起こったので,BIOS設定でPS/2マウスを強制的にIRQ
12に割り当てるようにしました.
なお,このようにしたのにはマシン構成上の理由というのがあり,リソースを空けるという観点からいうと,どうやらISAサウンドカードよりPCIサウンドカードのほうがリソースを使わないので,ジュリアスは構成を変更しあえてASUSTeK製のPCIサウンドカードを使うことにしたのです.
ベンチマーク:ATA33インターフェースとATA66
まずは,元のディスクATA33 FBST3.2でのベンチマークです.
次は,hotrod66+IBM DJNA-370910です.
ATA66の威力を見た思いです.ハードディスクは2万円,HotRod
の価格を加えても,3万円を大きく切る価格ですばらしいです.
そこで,このディスクを直接ATA33インターフェースに接続しました.
ATA33インターフェース+IBM DJNA-370910
やはり,ATA66インターフェースのほうが速いようです.確実にATA33ディスクよりも速くなってはいるので,ATA66カードを買うまで我慢することができそうです.しかし,ATA66の速さには到底及びません.
ちなみに,今回のシステム組立完了後のベンチマークを取りました.HotRod66には,4つの次のようなドライブが接続されています.
HotRod66で,
プライマリ・・・IBM DJNA-370910+CD-ROM
セカンダリ・・・LS120+ZIP
さすがにドライブをいっぱい取り付けると多少遅くなるようです.IBM
DJNA-370910だけのテストしたときよりも遅くなっています.このことから,UltraATA66はきわめて速いけれども,すべてのドライブを使ってしまうと少し遅くなる,ということなのかもしれません.
とはいえ,このハードディスク自体の速さは非常に高速なものであり,ATA66のよさを完全に生かしきることのできるドライブがやっと現れてきたなぁというのが一つの感想でした.
また,皆さんへの助言としては,一つのマシンに多くの機能を盛り込むとトラブルが発生しやすい,ということを伝えておきたいと思います.
決定版Windows標準ツールのみでハードディスクを乗せ換える方法へ続く
Copyright 1999 岩村益典