パワーMOSFETはパワー・トランジスタよりスイッチング速度が速い 一般的にパワーMOSFETはスイッチング速度が速いことが知られています.しかし同一条件で比較した場合のスピード差はあまり一般的に知られていません. 実験回路 そこで前出のパワー・トランジスタ2SC3345とパワーMOSFET 2SK2614を使って,スイッチング速度の比較をしてみます. 測定回路を図3に示します.この図からわかるとおり両者の測定条件はすべて同じです.
電源電圧と負荷電流 コレクタ電流IC とドレイン電流ID をともに10Aとします.また,2SC3345と2SK2614の負荷抵抗RLT とRLM をともに3Ωとします.電源電圧は30Vです. 駆動電圧 2SK2614のカタログを見るとロジック・レベル駆動(4V)を保証しているためVGin =5Vとします.2SC3345の駆動電圧VBin をこれに合わせて, VGin =VBin =5[V] とします. ベース抵抗RB 図4に示す2SC3345のhFE−IC 特性からIC =10Aにおける直流電流増幅率hFE を求めるとhFE =70と読み取れます.この値を使って2SC3345が十分飽和するベース電流IB を算出すると, IB ==0.14A となります.したがってベース抵抗RB は, RB ==28[Ω] ただし, VBE:ベース−エミッタ間電圧[V] と求まります.ここでVBE =1Vとしました. なお,実際の抵抗はE12系列から27Ωを選びました.ゲート抵抗RG も条件を合わせるために27Ωとします.
実験結果
明らかにパワーMOSFET 2SK2614のほうがパワー・トランジスタ2SC3345よりもスイッチング速度が速くなっています. 以下にそれぞれのターン・オフ時のスイッチング特性を示します. 立ち下がり時間tf パワーMOSFET 2SK2614:170ns パワー・トランジスタ2SC3345:241ns オフ遅延時間tOFF(=td(OFF)+tf) パワーMOSFET 2SK2614:355ns パワー・トランジスタ2SC3345:667ns Copyright 2000 トランジスタ技術編集部 編 |
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