1.1 準備とVBの起動

1.1.1 準備

 VBによってプロジェクトを作成したとき,初心者が犯す最初の失敗はプロジェクトの保存場所を間違えることです.保存する際にフォルダを新規作成することもできますが,VBを立ち上げる前に作成しておくことをおすすめします.

 Windowsアプリケーションでは,一つのプロジェクトは多くのファイルから構成されるので,プロジェクトごとにフォルダを作るようにします.ここでは,親フォルダ(自分専用のフォルダ)の下にTestCG1というフォルダを作り,これから作成する最初のプロジェクトを保存することにします.

1.1.2 VBの起動とプロジェクトの保存

 VBを起動すると,「新しいプロジェクト」ダイアログボックスが現れます.“標準EXE”を選択し,[開く]をクリックすると図1.1のような画面が表示されます.

(図1.1)Visual Basic

(約23Kバイト)

 上部にタイトル,メニュー,ツールバー,左側にツールボックス,中央にForm1というフォームウィンドウ,右上にプロジェクトエクスプローラ,右下にプロパティウィンドウなどが表示されます.

 表示されていないときは,メニューの[表示]で表示させることができます.これらの配置は自由に変更できます.  

 タイトル  一番上にVBのタイトルが示されます.デフォルトではProject1となります.

 メニュー  中段はメニューです.このメニューでいろいろな機能を選びます.

 ツールバー メニューの下に位置し,アイコンが並んでいる部分です.これを使えば,メニューを使わずに主要な操作ができます.

 フォームウィンドウ アプリケーションの基本となるウィンドウです.アプリケーションの作成はフォームをデザインすることから始めます.

 ツールボックス  コントロール(オブジェクト,パーツ,コンポーネントともいう)の集まりです.これらをフォーム上に貼り付けてアプリケーションを作ります.

 プロジェクトエクスプローラ  プロジェクトを管理するウィンドウです.作成したフォームや標準モジュールが表示されます.

 プロパティウィンドウ フォームやコントロールの属性を変更するウィンドウです.

 イミディエイトウィンドウ VB以前のBASICと同じように,1行ずつ実行するウィンドウです.デバッグ時にも使用できます.

 ウォッチウィンドウ  これもデバッグ時に使用します.

 デフォルトのプロジェクト名,フォーム名は,それぞれProject1,Form1となっています.

 まず,プロジェクトエクスプローラのProject1をクリックし,プロパティウィンドウの(オブジェクト名)をTestCG1と変更します.フォームをクリックし,Form1のフォーム名をfrmTestCG1に,タイトルバーのタイトルをプロパティウィンドウのCaptionにおいてTestCG1に変更します.

 ここで,プロジェクトを保存しておきます.[ファイル]−[名前を付けてプロジェクトの保存]をクリックすると,「名前を付けてファイルの保存」ダイアログボックスが開きます.保存する場所がTestCG1になるように変更し,ファイル名が“frmTestCG1”となっていることを確認し[保存]をクリックします.
 次に「名前をつけてプロジェクトの保存」ダイアログボックスが開くので“TestCG1”となっていることを確認し,[保存]ボタンをクリックします(保存先を間違わないよう十分注意してください).

 メニューの[ツール]−[オプション]で「オプション」ダイアログを表示し,[環境]タブを選択してください.[プログラムの起動時]グループボックスにおいて“変更点を保存”にチェックマークがついてあれば,コードを追加あるいは修正した後,プログラムを実行すると自動的に保存されます.

 VBは基本的に,C言語のように変数の宣言を必要とする言語ではありませんが,間違いを発見しやすくするために変数の宣言を強制するようにしておきます.「オプション」ダイアログボックスの[編集]タブにおいて,“変数の宣言を強制する”にチェックマークをつけてください.あるいは,後述するコードウィンドウの最上段に“Option Explicit”をコーディングすることによって,変数の宣言を強制するモードになります.


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