1.1 コントロールの配置とプログラミングの基礎

1.1.3 コントロールの配置

 コントロールを使用する前に,主なコントロールの機能を説明します.

 ピクチャーボックス  図形や文章を表示する領域として使用します.

 コマンドボタン  処理の開始,中断,終了などを指示するために使用します.

 テキストボックス 文字や数字を表示します.変数の値を変更するときに使用できます.

 コンボボックス  テキストボックスと同じ機能を持っていますが,あらかじめ表示候補名をアイテムとして与えておくことができます.

 ラベル  ユーザーへのメッセージ,あるいは他のコントロールの説明用テキストとして利用します.

 チェックボックス  機能を切り換えるときに使用します.

 オプションボタン チェックボックスに似ていますが,複数の選択肢の中から一つだけ選択するときに使用します.

 フレーム 他のコントロールをグループ化するときに使用します.

 フォーム上にコントロールを組み込む方法として,次の二つの方法があります.

 (1) ツールボックスのコントロールをダブルクリックすると,フォームの中央にそのコントロールが配置される.適当な位置へ移動し,大きさも整えて使用する.

 (2) ツールボックスのコントロールを一度クリックして選択する.フォーム上にマウスを移動し適当な位置でクリックし,左ボタンを押したまま右下にドラッグする.

 以上のいずれかの方法で,図1.2に示すようにフォーム上にピクチャーボックスを一つ,コマンドボタンを一つ用意します.オブジェクト名はデフォルトのPicture1,Command1としておきます.

(図1.2)コントロールを配置したフォーム

 

 

1.1.4 VBプログラミングの基礎(その1)

 VBはイベントドリブン型のプログラミング言語です.コマンドボタンをクリックする,テキストボックスにキー入力するなど,Windows上で発生する出来事をイベントといいます.

 イベントが発生したとき,何を実行させるかをそのプロシージャにコーディングします.これを,イベントプロシージャといいます.

 コントロールをダブルクリックすると,そのコントロールに最も一般的なイベントに対応するプロシージャのコードウィンドウが開きます.

 コマンドボタンCommand1をダブルクリックするとPrivate Sub Command1_Click( )とEnd Subは自動的に作られます.これは,Clickイベントプロシージャです.リスト1.1のようにコーディングします.

 プログラムの実行は,メニューの[実行]−[開始],またはツールバーの右矢印アイコンをクリックします.

 一つのコントロールには,いくつものイベントが登録されています.Command1をダブルクリックしたとき,コードウィンドウの右上のコンボボックスには,Clickが表示されています.右端の矢印をクリックするとたくさんのイベント名が表示されるので,必要なイベントを選択して用います.

 リスト1.1において,表示位置を右下にずらすように変更してみます(リスト1.2).実行してみると,わずかに右下にずれることでしょう.実は,VBのデフォルトの座標系はTwipです(1cm=567Twip).

(リスト1.1)VB.Command1のClickイベント(frmTestCGI)
Private Sub Command1_Click()

     Picture1.Print "Hello Visual Basic"

  Picture1.Print "始めてのVBプログラミングです"

End Sub


(リスト1.2)VB.Command1のClickイベント(frmTestCGI)

Private Sub Command1_Click()

     Picture1.Currentx = 50

     Picture1.Currenty = 50

  Picture1.Print "Hello Visual Basic"

  Picture1.Currentx = 50

  Picture1.Print "始めてのVBプログラミングです" 

End Sub


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