電鍵の歴史・操作・メインテナンス・コレクション
モールス・キーと電信の世界
魚留 元章 著
B5変型判 272ページ
定価3,080円(税込)
JAN9784789814874
2005年6月15日発行
大変恐縮ですが,こちらの商品は品切れ絶版となりました.
モールス通信は信号の有無,つまり“1”か“0”で情報を伝達するデジタル通信のさきがけです.音声・画像系通信などと比べ,きわめて小さな信号雑音比(C/N)で十分に通信が確保され,小さな無線設備でも世界規模の通信ができるきわめて優れた通信方式です.このようなすばらしい通信方式を今後も後世に伝えていくのは,アマチュア無線家の責務といえるかもしれません.
本書は,モールス符号を奏でるうえで必須品である“モールス・キー”の発展と歴史を綴ったCWファン待望の一冊です.実践に役立つ各種モールス・キー(縦振りキー,バグキー,複式キー,エレキー)の操作方法をはじめ,日常に行うキーのメインテナンス,骨董キーのコレクションなどは必見です.
そのほか,モールス通信の揺籃期から現代までに世界中で製作されたキーの数々を巻頭カラーページで紹介.また,通信の原点であるモールス通信の発展と歴史についても詳細に綴っています.プロ無線の世界からモールス通信は消えつつありますが,その古典的な通信手法“CW”を未来に伝えるモールス愛好家のために本書を贈ります.
目次
はじめに
モールス・キー コレクション
第1章 モールス・キーの種類と電信の役割
1-1 通信手段の原点“モールス通信”
1-2 モールス通信はプロからアマチュアへ
第2章 モールス電信機 誕生物語
2-1 情報通信の黎明
2-2 先史以前の通信
2-3 実用電信機の発明者は誰か
2-4 電磁式電信機の発明
2-5 モールスとベイルによる実用電信機の発明
2-6 エジソンとモールス通信
第3章 電信とモールス・キーの発展
3-1 モールス通信とともに発展してきたモールス・キー
3-2 有線電信への発展とモールスの功績
3-3 わが国における電信研究
3-4 電信機(テレグラフ)のわが国への渡来
3-5 電気通信サービスの開始
3-6 電磁式電信機械の進化と変遷
3-7 無線電信への発展
3-8 黎明期のアマチュア無線とその発展
3-9 各種モールス・キーの特徴
第4章 モールス通信の受信
4-1 モールス符号の覚え方
4-2 モールス符号を覚えるにあたっての留意点
4-3 モールス符号 受信の基本
4-4 モールス符号の受信能力が伸びない理由と対策
4-5 受信能力向上のためのノウハウ
4-6 効果的な上達法
4-7 高速度受信の実践
第5章 モールス・キーの操作法
5-1 モールス・キー操作の基本
5-2 モールス・キーの特徴と選び方
5-3 縦振り式キーの操作法
5-4 手崩れについて
5-5 モールス・キーの種類とキーの調整法
第6章 はじめてのモールス通信
6-1 モールス通信のおもしろさ
6-2 CWのラバー・スタンプQSO
6-3 和文モールスの勧め
6-4 DX QSO
6-5 コンテスト
第7章 電気通信術の国家試験
7-1 電気通信術の試験とその突破法
第8章 各種モールス・キーの変遷
8-1 モールス・キーの誕生
8-2 モールス・キーの種類と用途
8-3 モールス・キー コレクションの世界
資料編
電信・情報通信年表/モールス通信の各種符号・略号表/電鍵操作の基本姿勢 参考図/モールス通信機器のメーカー一覧表/モールス関係Webページ一覧表
参考文献一覧
おわりに
コラム
●写真で見る“JCS”銚子無線電信局
●クリッペン事件
●ロンドン郊外殺人事件
●逓信省型(Japanese Post Office Type Key)モールス・キー
●モールス符号を覚えるのは和文が先か欧文が先か
●規則正しい作業習慣と上達のノウハウ
●モールス通信のさらなるレベル・アップのために
●American Morse Codeこぼれ話
●航空無線のモールス通信
●JARLモールス電信技能認定制度について
●CWオペレーションのコツ
●CWとは
●往時の海上移動業務と中・短波海岸局
●タイタニック号とSOS
逓信省型電鍵