Last Update 2020/04/23

測定の基礎/回路網解析のための理論式/シミュレータの活用
高周波回路設計のためのSパラメータ詳解

市川 古都美/市川 裕一 共著
A5判 196ページ
定価2,420円(税込)
JAN9784789830256
2008年1月1日発行
好評発売中!
高周波回路設計のためのSパラメータ詳解

 高周波回路設計や高周波回路の測定において,Sパラメータは密接な関係にあり,とても重要です.しかし,その考え方は難解で,容易には理解しにくい未知の領域として扱われることも少なくありません.
 本書はそのSパラメータをわかりやすく明快に解説しました.ぜひ本書でSパラメータの世界へ足を踏み入れてみてください.「基礎編」がクリアできたら,次のステージ「応用編」が待っています.ふだん,なに気なく使っているSパラメータの,その奥にあるものが見えてくることでしょう.「シミュレーションによる確認」と「APPENDIX」を有効に使うことにより,さらに効率良くSパラメータをマスタできるでしょう.

目次

第1部 基礎編

第1章 2ポート回路の表現
 1-1 Zパラメータ(impedance parameter)
 1-2 Yパラメータ(admittance parameter)
 1-3 ABCDパラメータ(ABCD parameter,Fパラメータ)

第2章 高周波になるとSパラメータが使われる
 2-1 高周波では電圧,電流の測定が難しい
 2-2 高周波では完全なオープン,完全なショートの実現が難しい
 2-3 Sパラメータはどんなもの?

第3章 1ポート回路のSパラメータ

第4章 2ポート以上のSパラメータ
 4-1 2ポート回路のSパラメータ
 4-2 Nポート回路のSパラメータ

第5章 測定器の表示とSパラメータの関係

第6章 SパラメータとABCDパラメータとの関係

第7章 Tパラメータ(transfer parameter)
 7-1 SパラメータからTパラメータへ
 7-2 TパラメータからSパラメータへ
 7-3 Tパラメータを使った縦続接続回路の計算

第8章 スミス・チャート(Smith chart)
 8-1 スミス・チャートの基本
 8-2 スミス・チャートの目盛線
 8-3 アドミタンス(admittance)チャートとイミタンス(immittance)チャート
 8-4 スミス・チャート上の特性
 8-5 スミス・チャートでの移動


第2部 応用編

第9章 シグナル・フロー・グラフ(signal flow graph)
 9-1 シグナル・フロー・グラフの基礎
 9-2 シグナル・フロー・グラフを変形するための四つのルール
 9-3 一般的な回路のシグナル・フロー・グラフ

第10章 1ポート回路の特性を調べよう
 10-1 入力インピーダンスからわかること
 10-2 ほかの回路を接続したときの振舞い
 10-3 一般的な1ポート回路
 10-4 回路に入力される電力

第11章 2ポート回路の特性を調べよう
 11-1 2ポート回路の入出力インピーダンス
 11-2 2ポート回路の関係式を求めてみよう
 11-3 電力の関係式
 11-4 電力利得の関係式

第12章 2ポート回路の安定性
 12-1 安定性を考えてみよう
 12-2 Stability circle(安定円)
 12-3 安定領域と不安定領域
 12-4 Unconditional stability(無条件安定性)
 12-5 無条件安定の判別

第13章 アンプの利得を調べよう
 13-1 入出力同時に共役整合させるには
 13-2 入出力同時に共役整合できると
 13-3 Unilateralな場合

第14章 Sパラメータの測定
 14-1 ネットワーク・アナライザ(Network Analyzer)
 14-2 測定誤差補正
 14-3 基準面の移動

第15章 差動回路(differential circuits)
 15-1 シングルエンド回路
 15-2 差動回路
 15-3 Mixed-mode Sパラメータ


第3部 シミュレーションで確認してみよう


APPENDIX
 A.特性インピーダンスZ0(characteristic impedance)
 B.電気長(electrical length)
 C.フェーザ(phasor)
 D.マイクロ・ストリップ・ライン(microstrip line)
 E.実効誘電率εeff(effective dielectric constant)
 F.反射係数Γ(reflection coefficient)
 G.伝送線路の入力インピーダンス
 H.VSWR(Voltage Standing Wave Ratio,電圧定在波比)
 I.リターン・ロス(return loss)
 J.dBm